だいたい32×32で、麻生政権を振り返る。

麻生政権 2008年9月24日から2009年9月16日をドット絵で振り返っています。

20090710@ラクイラサミット内外記者会見


麻生首相内外会見】「米国の過剰消費抑制が必要だと訴えた」(10日午後、日本時間10日夜)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090710/plc0907102257011-n1.htm
麻生太郎首相は10日午後(日本時間10日夜)、イタリア中部のラクイラで行った内外記者会見で、主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)での成果について、「危機を克服した後の世界経済の持続的な成長のため、世界的な経済収支の不均衡の是正のために、米国の過剰消費の抑制、黒字国、特に中国の内需主導型経済成長への転換などが必要であることなどを訴えた」と述べた。会見の詳報は以下の通り。


「この3日間、このイタリアのラクイラの地で、G8サミットの、また、その他の国々の参加を得て、関連の首脳会談に出席しました。その成果について申し上げます」

「第一に世界経済です。会議では私から日本経済の運営について、説明しました。すなわち、過去最大規模の景気対策を実施していること。同時に、中長期的な財政健全化への取り組みについてです。また、危機を克服した後の世界経済の持続的な成長の確保のために、世界的な経済収支の不均衡、いわゆるグローバル・インバランスの是正のために、米国の過剰消費の抑制、そして、黒字国、特に中国の内需主導型経済成長への転換などが必要であることなどを訴えました」

「G8の各国首脳の間では、次のような認識で一致しております。すなわち、日本を含めた各国の努力により、世界経済には安定化の兆しが見えはじめていること。他方、依然として経済、金融の安定に対する大きなリスクが存在をしているとの認識で一致をしております。なお、場外において、ストロスカーン国際通貨基金、いわゆるIMFの専務理事から、日本が今回の金融危機に対して、いちはやくIMFに対する1000億ドルの融資を、これはワシントンで表明したんだと思いますが、融資を表明してくれたことに対して、改めて、『世界経済を救ってくれた』と感謝の意が表明されました」

「世界の貿易投資に関しては、保護主義を防ぎ、WTO世界貿易機関)のドーハ・ラウンドの交渉が、2010年に妥結するよう、追求することで一致をしております」

「次に気候変動です。私は2020年までに、日本が2005年比で15%を削減するという中期目標の達成のため、低炭素革命を成し遂げていくとの決意を表明をしました。G8では、先進国全体で2050年までに、温室効果ガスを80%削減するという野心的な目標に合意をしております」

「一方、主要な新興国につきましても、中国、インドなども参加した主要経済国フォーラムで、主要新興国も、意味のある削減を行うということで合意をしております。京都議定書の次の枠組みでは、すべての主要排出国が、責任ある形で参加することが必要です。京都の場合は、全体で30%でしたから。このため、私からは、目に見える形で、責任ある行動をとっていくことを約束をする途上国に対しては、日本は積極的に資金や環境技術、省エネ技術の協力を行っていきますという方針も、明らかにしております。本年末の次期枠組み作りに向けて、前進することができた。洞爺湖サミットに比べて明らかな前進ができたということだと思っております」

「第3に途上国の開発の問題です。私はアジアに対して、日本の支援というものを、これまでやってきたことを紹介し、アフリカについても、自らが発展をし、成し遂げられるということを助けるような支援と。それを行うことが重要であると強調しております。議論の結果、経済危機のなかで、大きな影響を受けたアフリカの開発というものに取り組むことの重要性が、改めて確認をされております。また、食糧の安全保障については、途上国への農業投資などに関して、国際社会が協調して取り組むべきことを提案して、各国間で賛同を得ることができました」

「次に、政治問題です。北朝鮮は、国際社会の声を無視して、度重なるミサイル発射を行い、2度の核実験を実施しました。私は国際社会は断固とした立場を持って臨むべきだということで、今回のサミットでも、主張しております。そして、(国連)安全保障理事会決議1874の実施の重要性を強調し、拉致問題を取り上げております。議論の結果、G8は北朝鮮を批判し、安保理決議の履行を求める力強いメッセージ出せたと考えております」

「今回のサミットにおいて、G8はイランについても、大統領選挙後の情勢に対する懸念というものを共有しております。核問題の外交的解決に引き続き取り組んでいくことで一致しております。また、核兵器のない世界に向けて、国際的な核軍縮、核の不拡散体制を強化していくことも、改めて確認をしております」

「なお、今回のサミットでは、G8と中国、インド、ブラジルなどの新興経済国との間で、初めて共同宣言というのが、出せております。前々から試みて成功していなかったのが、今回初めて成功したということです。宣言では、日本が従来主張してきたいわゆるグローバル・インバランスの是正や責任ある開発を行うための原則などが盛り込むことができました。G8が指導力を発揮して、重要な経済問題について文書にすることができたということは、問題意識を共有した上でのもので、大変大きな成果があったと思っております」

「2国間会議につきましては、米国のオバマ大統領、ロシアのメドべージェフ大統領、ブラジルのルラ大統領、カナダのハーパー首相、インドのマンモハン・シン首相等々との首脳会談を行い、机が近くにありますんで、しょっちゅう、あのー、その他の国々の方々と個別な会談をさせていただきました。この後、ラッド・オーストラリア首相との懇談も予定をしております」

オバマ大統領とは、北朝鮮、気候変動、核不拡散といった問題に緊密に連絡、連携していくことで一致しております。特に北朝鮮への対処については、現下の情勢により、拉致・核・ミサイルを含みます問題の包括的な解決に向けて、いっそう緊密な協力をしていくことで一致しております」

「ロシアのメドベージェフ大統領との間では、領土問題を中心に議論しました。ロシア側としては、引き続き、独創的なアプローチのもとで、あらゆる選択肢を検討していく用意があることを確認しております。その上で、今後、解決策を見いだすよう、引き続き、作業を加速、強化させ、首脳レベルでも話し合っていくことで一致しております」

「最後に、4月に地震にみまわれましたラクイラの方々に、改めてお見舞いと早期の復興をお祈り申し上げる次第です。サミットを主催されたイタリア政府および関係者の方々の温かな歓迎、きめ細かなおもてなし、心遣い、心より感謝を申し上げておきたいと存じます。以上です」


「G8の重要性は一層増している」
<質疑応答>
−−首相は今、サミットの一連の日程について、成果を強調したが、改めてうかがう。G8では、例えば、温暖化対策では先進国として80%削減という目標を打ち出しました。結局、MEFの方ではその、新興国に世界全体で50%削減という数値を飲ませることができませんでした。最近、G8の限界というものも指摘されてる。このG8の役割は引き続き、必要だと考えるか。また、個別の会談で、日露首脳会談で、明確な北方領土問題の進展が得られなかったが、十分な成果を得られたと考えるか 

「G8だけで世界の解決すべき問題にすべて対処できるわけではないのは事実です。昨年の金融経済危機のときも、G8では解決できないと、インド、中国等々の参加がぜひ必要だと、私の方から申し上げて、あれは確か、G40じゃない、G20になったんだと記憶します。従って、経済と金融危機にはG20サミット、気候変動についてはMEF、MEFというのは主要経済国フォーラムが、効果的な役割を果たしていると思っております」

「日本としては責任を果たす能力、意志、そういったものを有す国々とは、これらの新たな枠組みを通じて行動をともにしていきたいと思っております。その上で、より多くの国々と問題を対処しなければならない時代にあるからこそ、共通の価値観を有して、そして世界のため、責任ある貢献をしてきたG8の重要性というのは一層増してきているんだと、私はそう思ってます」

「G8が中核となって国際社会の力を結集して、国際協調がさらに進めていくことが現実的な方法であると思っております。気候変動問題に関しては、G8として、この問題に責任を持って取り組んでいくということを、これはG8宣言の形で明確にしております。その上で新興国を含めたME・・・主要経済国フォーラムに臨んで世界全体の排出削減目標の設定に向けて、今年、年末にコペンハーゲンで開かれますCOP15までに協力して取り組んでいくことで一致できたというのは、非常に大きな成果であって、これはG8の変わることのない重要性を示したもんだと思っております。少なくとも、G8だけで世界経済の約50%を占めますんで、これは非常に大きな影響力のあるもんだと思っております」

「日露首脳会談に関しては、今回のロシアの説明は日本の立場というのを満足させるというか、満たすものではありません。しかし、同時にメドベージェフ大統領との間では、さらに解決策を見いだすよう作業を加速、強化させるべく、指示を出すとの話も、向こうで出ておりますので、首脳レベルでやっていかなくてはならん。少なくとも、事務のレベルだけで進まないことは、この60年ではっきりしている。従って、政治的解決をやる以外に方法はないということは、昨年の11月、今年の2月、今回も同様なことを言っておりますんで、その意味では引き続きロシア側の対応というものに注意目しておるところです」


−−イタリアと日本は長い間、良好で親密な関係を持っており、それを拡大しようとしている。北朝鮮とは2002年以降、国交を結んでいる。これを踏まえてちょっと質問したい。北朝鮮問題について。このイランについて、G8の政治声明の中には、タイムリミットが言及されているが、北朝鮮にはタイムリミットというものは全然言及されていない。北朝鮮に対してもタイムリミットを設定する必要があるか聞きたい。もう一つ。議長国であるイタリアの役割について、北朝鮮の核問題については、イタリアに対してどういう具体的な期待をしているか。最後、北朝鮮の後継の問題について特別な情報があれば教えてほしい 

「どこで日本語勉強したんです。うまいですね。日本の新聞社の方よりうまいかもしれん。自信もったほういいです」

北朝鮮のミサイル発射は、日本だけではなくて、明らかに国際社会の平和とか安全というものに対する重大な脅威であって、断じて容認できることはありません。これは国際社会が一致して北朝鮮の核の保有、またミサイルの開発は認めないというメッセージを発することが重要と。その観点から今回出されたG8の文書は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決を目指す日本にとり、評価のできる内容だったと私自身は思います。このような声明をとりまとめていただいた議長国のイタリア・ベルルスコーニ議長の役割を評価しております」

「今後は国際社会が一致した安保理決議1874というものをしっかり実施して、北朝鮮に対し、この安保理決議違反の行為は対価が伴うということをはっきり理解させる必要があると思っております。少なくともイランというのはまだ核実験を行ったわけではありません。北朝鮮は2回行っている。しかも日本が射程距離届くノドンというのをいくつも発射実験をしております。これが脅威でなくてなんです」

「あなたがいわれたようにイタリアと北朝鮮は2000年から、21世紀から外交関係にあります。国際的な社会で主導的な立場にあるイタリアが北朝鮮に対して、この問題の解決に向けて積極的に働きかけを行ってくれるというのは、われわれとしても期待しているところです。いずれにしても、国際社会のこういう懸念、意志っていうものをはっきり認識して、6者会合というものの共同声明の完全実施に向けて、具体的な行動をとっていくということが必要だと思っております」

「後継者の話がでましたけど、後継者については、今、三男が後をとるとか、いろいろ言われてます。これは関心を持っていますけれど、事柄の正確上、この後継者問題についてこの場でコメントするということは適切ではないと思っております」


−−内政問題について。12日には東京都議選の投開票が行われますけれども、首相は結果のいかんにかかわらず、政権を今後も担っていく考えに変わりはないか。もう1点、その結果のいかんにかかわらず、衆院の解散はみずからの手でやるというお考えに変更はないか

東京都議選の選挙は、極めて厳しい戦いであることは、最初から承知をしておりますし、目下、与党の関係者の方々が全力を挙げておられるところだと思っております。今、言われましたけど、これはたびたびこの質問をいただいておりますが、都議選というものは、これはあくまでも地方の選挙であります。都議選の争点というものは基本的には東京都政というものにおける諸課題について、東京都民の方が判断をされる、そういうもんだと思っておりますんで、国政に直接、関連するものではないということは、もう従前から申し上げておるところです」

「政権を担っていくかというお話でしたけど、私は内閣総理大臣として日本の政治というものに関して責任を持っています。国民を守り、日本を守る、今後ともその責任を果たしていくということに関しましては変わりはまったくありません」


「解散時期の選択肢は広くない。判断の時期が近づいている」
−−(英語で質問)日本語が話せず済みません。

「OK」

ーー(英語で質問)国際的な経常収支の不均衡が世界経済の不安定化要素となっていると言ったが、G8は新たなメンバーを加えようとしているが、 G8はどのようにしてこれらの国と経常収支の不均衡問題に対処するのか

「I think It’s a very good・・・ ああ、ごめんなさい。すごく良い質問です。今、次の金融危機の根底というものには、これは資金のフロー、資金のフローとは資金の流動性ということ。資金のフローの偏在の問題が世界中にはある。これを放置しておくということは、国際金融システムというものが、もしくは、さらには国際通貨システムというものが不安定化するリスクが継続をする。ドル安がずっと続くとか何とかだとか、そういった状況がずっと続くということになりかねない。これを是正するためには、少なくとも世界的な経常収支の不均衡、いわゆるグローバル・インバランスの問題と言うんですが、これを取り組まなければならないということに関しては、これはワシントンのG20の時からも、私の方から繰り返し言ってきたところです」

「具体的にどうするかといえば、これは、さきほども申し上げましたように、これは過剰消費が、はっきりしていまして、アメリカの過剰消費の抑制。他方、中国をはじめとした、これは輸出で経済成長をはかっている。そういった新興国が、輸出だけに頼らず自国の内需経済、そういった内需の需要というものをむしろ喚起する、そういった政策へ転換をしてもらわなきゃならん。いわゆる難しい言葉で言えば『マクロ経済構造のバランス調整』と言うんですが、こういった全体の経済の中での調整が必要であるということは、今次サミットにおいても強調したところです」

「今回はG8の首脳宣言だけでなくて、G8プラス5との間で合意した宣言などにも、そのような認識が明確に示されております。これは今次の会合の極めて重要な成果の一つであると私は思っております。こうした認識にそって今後、関係国が適切な行動を取ることを期待しております。ただ、ご質問があったようにアメリカが内需を抑制するということは同時に、事実、アメリカは貯蓄性向は、これまでマイナスとかゼロ・パーセントといわれたアメリカが今、プラスの5%になったとオバマ大統領は言われ、さらに上がっていくと言っておられますから、それは逆に言えば経済というものは、アメリカの経済のバランスは良くなるかもしれませんが、世界経済に直ちにそういった面はプラスにならんかもしらん、という点は両方考えないといけないんであって、これらのところのバランスが一番、難しいところかなあと思っています」

ーー衆院解散・総選挙についてたずねる。衆院議員の任期満了まであと2カ月となった。総理はこの間、たびたび、「しかるべき時期にしかるべく判断する」と言っているが、この段階に至ってはもはやはっきりと明言すべきではないか。明確なお答えをお願いする

衆院の解散、任期満了まで残り2カ月。(任期満了は)9月の10日ですから。確かに解散の時期についての選択肢というものが広くあるわけではありません。判断の時期が近づいてきているというのは事実だと思います。今、国会において臓器移植法とか、それから貨物の検査法などなどが今、審議中だと思いますが、これは今、党の内外で解散の時期についても色々な方々が日本の色々な場所で発言をしておられるということも承知をしておりますが、こういった色々な諸条件というものを十分に勘案して近々、判断をさせていただきたいと思っております」


ラクイラ・サミット 内外記者会見
http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2009/07/10laquila_naigai.html


G8 Summit 2009 - official website - イタリア ラクイラサミット公式(英語)
http://www.g8italia2009.it/G8/Home/G8-G8_Layout_locale-1199882116809_Home.htm