だいたい32×32で、麻生政権を振り返る。

麻生政権 2008年9月24日から2009年9月16日をドット絵で振り返っています。

20090617@第2回党首討論 vs鳩山民主党代表


第2回麻生・鳩山討論…鳩山氏「民主政権なら西川辞任」
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090608-145056/news/20090617-OYT1T00653.htm
麻生首相と鳩山民主党代表による2回目の党首討論が17日、国会で行われた。鳩山氏は、日本郵政西川善文社長の進退を巡る政府の混乱を追及し、衆院選後に民主党中心の政権が誕生した場合は、西川氏を解任する意向を表明した。

鳩山氏は、保養宿泊施設「かんぽの宿」の一括売却問題で、民主、社民、国民新の野党3党が5月に西川氏を刑事告発したことに触れ、「政権を獲得した時には西川社長にお辞めいただくしかない」と明言した。西川氏の続投に反対した鳩山邦夫・前総務相の更迭については、「私や国民の多くからみれば間違った人の首を切った」と首相の判断を厳しく批判した。

首相は「西川氏の行状に問題点はいろいろある」と述べる一方、「民間会社の人事に、政府が世論をバックに介入すべきかは、極めて慎重であらねばならない」と反論した。

また、社会保障の財源について、首相が消費税率引き上げの必要性を強調したのに対し、鳩山氏は「政権を取って4年間、消費税の増税をしないことを明言しておく」と述べた。

首相は北朝鮮に出入りする船舶に貨物検査を行うための法整備に協力を要請した。鳩山氏は法案の早期提出を促したうえで、「早く結論を出すと約束する」と今国会成立に向けた協力を約束した。



党首討論】(1)鳩山氏「日本郵政人事、首相は間違った方の首を切った」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090617/plc0906171549009-n1.htm
麻生太郎首相(自民党総裁)と、民主党鳩山由紀夫代表との党首討論を行った。党首討論の詳報は以下の通り。

鳩山氏「私は国民の代表の思いで、政府の代表の首相に対して議論を致したいと思います。その中で、民主党民主党の政策の違いというものを明らかにして参りたいと存じます」

「まず最初に、実はこの話をすることを、必ずしも民主党の同僚議員から止められているのでありますが、あえて国民の皆様の最大の関心事に触れないわけにいきませんので申しあげたいと存じます。それは日本郵政の西川(善文)社長さんの続投問題でございます」

「この件に関しまして、私は国民の皆様方の総理に対する支持率が大変、落下した大きな原因を作ったと思っています。なぜならば、判断ができない、判断がぶれる、判断が間違える。この3つ。国民に取ってみれば一国の総理大臣が重要な判断に対して、なかなか結論が出せなかった。そして、途中で判断が変わった。そして、私からみれば、あるいは国民の多くから見れば間違った方の首を切ったのではないか。そう思っておるのでございます」

「このような判断、国民の皆様方にとって、これでは首相の器としていかがなものかと思われるのは当然ではないかと思いますが、もし反論があればお聞かせを願いたい」


麻生首相「われわれも国会議員であれば、皆、国民の代表、選良だということをまず最初にお断りをしておきたいと思います。郵政民営化のお話に関しての話が最初から、あの、郵政民営化って、郵政会社に関するお話がありましたけども、私は郵政株式会社っていうか郵政会社は、これは民営化された会社です。100%政府が株を持っているとはいえ、間違いなくこれは株式会社でありますんで、そういうような株式会社、民営化された株式会社に対して、政府の介入というものは最小限にとどめることは当然のことだと私はそう思っております。民間会社というのは民営化というその趣旨からしても、人事に介入するというのは特に慎重であるべきだと思っております」

「従いまして、日本郵政の人事にいろいろな点で問題がある、というんであれば、これは明らかに業務改善命令というもの等々、出されおるわけでありますから、それに基づいて郵政会社が結論を出されるのは、これは取締役会で出されることになりますので、取締役会までに結論をおろされておくべき、ということで、早い時点からこの点を申しあげておきましたけれども、残念ながら、この対応はできなかったと、私はそう理解を致しております。従いまして、このような状況の中において、混乱を招いているという感じはいかがなものか、ということでありましたので、私としては、首相、総裁としての人事権が及んでおりますのは、これは郵政会社ではなくて、間違いなく内閣側にありますので、この問題に関しましては、担当大臣というものの辞表を受理したということであります」

「また、西川社長につきましては今後、新任されました(佐藤勉総務相の下で業務改善命令に従って対応していかれるということになりますので、この改善状況を見た上でよく判断をしたいと思っております。少なくとも総務相というものは事実を踏まえて、法律に基づいてきちんと対応されてしかるべきなんだと、私は基本的にそう思っておりますので、ぶれておるとか、ぶれていないとか、結論が出るまでの間、いろいろなご意見を聞くのは当然のことだと思いますが、結論が出た後は速やかに実行するというものだと思っております」


鳩山氏「もし最初からそう思っておられるならば、なんでこんなに時間がかかったのかという話になります。もっと、あっと言う間に結論を出してもよかったはずではないかと思います」

「一時は少なくとも2月の段階では『私はもともと郵政民営化には賛成ではなかった』みたいな発言があったりしたと、その中で、リストがどうのこうのと。あまりこの中に入り込むつもりは、毛頭ありませんが、国民の皆様方との期待のずれというものがあまりにも大きかったということは指摘しておかなければなりません」

「特に『かんぽの宿』の問題をはじめとする大変な不祥事、あるいは不祥事に極めて近いような状況に対して、私どもは、もうすでに他の野党、国民新党さん、そして社民党さんとともに、告発を、西川社長さんにしているところでございます」

「したがいまして、私どもが政権を獲得したときには、西川社長さんにはお辞めになっていただくしかないなと、そんなふうに感じているところでございまして、これは当然、国民の皆様方の世論というものを、しっかり受け止めた中で、政権、連立政権を樹立した暁には、そのような行動というものもとりたい。であるとするならば、今のうちにお辞めにさせておかれた方がよろしいのではないかな、そのようにあえて申しあげておきます

「私が、続いてやはり、申しあげておきたい。あるいは、これは大変大きな問題でありますだけに、総理の方からお尋ねがあるのではないかと思いますので、私の方から先に申しあげておきたいことがございます。それは北朝鮮の核実験、ミサイル発射の問題をとらえた国連安保理1874に対する採択の問題でございます」

「私は、採択がされたことは大いに歓迎をすべきことだ。国際社会の中で何としても北朝鮮に少なくとも、慎重に行動をしてもらわなければならないわけでございまして、その意味においては、一方では厳しく行いながら、他方では熟慮をうまく行うという外交が求められている。日米韓のしっかりとした連係プレーというものが必要であることを、私は先般、韓国に参りまして、李明博大統領にもそのことを強く申しあげてきたところでありまして、これは総理も、ご異存がないところだと思います」

「したがいまして、いわゆる貨物検査に関する新法が必要だということであれば、大いに議論をしたいと、そのように思っておりますので、早く法案を出していただきたい。白紙委任をいくらなんでも、するわけにはいきませんので、ぜひ早く、法案をご準備をいただければ、われわれとしても、できるだけ早く結論を出すことをお約束を申しあげたい」


麻生首相「まず、まず最初に政権を獲られたときには、郵政会社の社長の首を、解任させると、まあ、解任させるというご意見でしたが、世論だからといことをおっしゃっておられましたが、私は民間会社の人事というものを世論で決めるべきかと。ましてや、それを政府が世論をバックに解任すべきかということに関してましては、極めて慎重であらねばならぬと最初に申しあげております。うかつにやるべきものではない。私は基本的にそう思っております。まずこれが第一点です」

「加えて、この西川さんという方の行状、または、いろいろな問題点につきましては、いろいろあるんだと思います。行状という言葉が正しいと思いますが。私につきましては、いろいろあると思いますから、あえて行状という言葉を使わせていただきました、はい。私がこの方がしておられましたことに関して、いろいろご意見は多々ありますのでは十分、あの、私どもとしても知っております」

「ただ、基本的には、仮にも、民間会社になったというんであれば、その会社の行動というものにつきましては、会社の中においてきちんと対応すべきが筋なんであって、われわれとしてはそれは少なくとも取締役という会の決まる前までにいろいろ株主として発言をする、またそれに対していろんな話をするというのは、決して間違っていないとは思います」

「しかし、決まった、取締役会ですでに決定された後に、ということになるのは、問題だというので、早めの対応をということを申しあげておりましたが、やっておるということでしたけど、なかなかそのように結論が至らなかったがゆえに長引いた、という形になっているという点もご理解いただきたいと思います」

北朝鮮の話がありましたが、北朝鮮のことに関しましては、これは極東というか、北朝鮮半島に限らず、このアジア、もちろんのこと、世界の平和と安定にとっても極めて危惧(きぐ)すべき重大な案件。ましてや隣国の日本にとりましては重大な案件であります」

「従いましてこれに対応するためには、核実験が2回目に行われた後には、私としてはブッシュ(オバマ)大統領に、また、国連安保理のP5(常任理事国)のメンバーであります方々に電話をし、もちろん韓国にも。いろんな電話連絡などなど、いろいろさせていただいて、今回のP5の1874に関しましても、少なくとも時間はかかりましたけれども、前回の決議文に関しては、はるかに厳しいものが出されたというのは、それなりの成果だと思います。少なくとも圧力というものをもってして、はじめて世界のメッセージ、世界の世論というものが先方に伝わるんだと思っております」

「したがって今回の対応というものは、全会一致で1874が執行された、決議されたということはこれを受けて、われわれとしては、その中で、各国に要請をされているものを含めまして、われわれはそれに真摯(しんし)に答えてという必要があろうと思いますんで、今、ご提案のありました、いわゆる船舶検査とかいろんな表現がありますが、船舶法だけ直せばいいという話ではなくて、いろいろな問題が関連いたしますけれども、ぜひ早急にこれを提出させていただきたいとわれわれもそう思っておりますので、ぜひ、この点に関してましては、両党一致して、与野党一致して早急な結論が得たいものだと私どももそう思っております」


鳩山氏北朝鮮に関しては前置きがかなり長かったわけでありますが、私どもも、これは中身をしっかりと精査をしながら、協力をすべきところは協力を申しあげたい。しかも、事実がそれほど長く国会があるわけではありませんし、解散・総選挙の時期も迫っていると理解をしている中で、できるだけ早くお出しを願いたい、そこを改めて申しあげておきたいと存じます。今日、これから申しあげたいことは、私どもの政策と政府、あるいは与党の政策との違うというものをできるだけ、際立たせていくために、いくつかの論点で議論申しあげたいと思います」

「その一つは医療問題でございます。私は1人の命も粗末にしないそんな日本の社会をつくらなきゃならないと思っています。ところがどうでしょうか。もう医療関係にまつわる、さまざまな事件事故が相次いでおります。つい先般も出産中に重体となられた妊婦さん、19カ所の病院に断られてついに亡くなられてしまわれた。ご案内かと思います。同じような事件事故はたくさんございます」

「自宅でお生まれになった未熟児の赤ちゃんが7カ所、病院に断られてしまって、最終的に新生児の集中治療室がない、その病院に連れていかれて、結局亡くなってしまった。こういう事故が、事件がたたないわけでございます。これをいろいろと当然、政府の皆さんもご苦労されておられることだとは思いますが、私はこういったことがなくなるような社会を何としてもつくり上げていくことが最優先の課題ではないか、そのように思っておるのでございます」

「そして、そのことをさまざま勉強してまいりますと、やっぱり決定的なのは、医師の数が不足をしているということ。それから看護師の数も不足をしているということ。私どもはやはり医学部の定員を例えば5割増しにするというようなことなど早急に手当てをしなければならないことだと思います」

「さらには、あの2006年からでしょうか、社会保障費、これも聖域ではないという発言の中で、2200億円がどんどん削られてしまったということ、大変な国民にとっての災難であったとそのように思います。診療報酬もずっとしばらくの間、下がり続けていたわけであります。私どもも、診療報酬に対してすべてとはいいませんが、平均して2割上がるぐらいの診療報酬に戻さないと厳しいのではないかと、そのようにも感じているところでありまして、都合8000億円程度がどうしても今、緊急に手当てをする必要があるのではないか。そのように私どもは計算をいたしております。このような医療の問題、最優先しなければならない人の命の問題に関して、麻生総理はどのようにお考えになっておられるのか、お聞かせを願いたい」


麻生首相「われわれとして、今医者の数が足りない。看護婦の数が足りないという事態。特に地域においては、地域ごとに格差がある。看護師、医者、いろいろ地域ごとに差がございます。そういった点は、これは大きな問題だと思っております。地域格差が出ておるという点では。昔は医者は余っているといわれた時代がありました。その時にあわせて、いろいろ、医学部の定員を削減したりもいたしましたが、今は逆に足りないという事態になっております。それにあわせて、われわれも当然それに対応することにいたしておりますが、その問題に関しまして、われわれも同様に医者の数を増やさねばならん。看護師もということを考えておるわけですが、同時に考えなければならんのは、医者を新たに養成するのには10年くらいの年数がかかります。その10年間どうするのか。ただ医者を今から学部の数を増やして医者だけ、医者の卵を今からインターンを始めてやるのは、かなりの時間差ができるというのはわれわれが考えなければならんのが大きな問題であって、そのためにはどのような対応ができるのかということも含めて、今検討をいたしている最中でございます。これは正直申し上げて、これは現実問題かなり厳しい問題でありまして、辞めた方もぜひもう1回というお話をしてみたり、結婚されて退職された看護師、看護婦に対し、ぜひ再就職をやる気はないかという話もいたしております」

「ただ、いずれにいたしましても、これは毎年1兆円ぐらいずつ増えてまいります社会保障費の中で、われわれはそれに対する財源の手当てもしなければならん。私は基本的に、これは大きな問題と思っております。少子高齢化というのが、間違いない現実となってきております。今の中においては。この財源問題なくしてわれわれはこの問題に対応できないと思っております。したがいましてわれわれとしては、こういう状況下にあっては、財源の手当てとしては、少なくとも広く薄く、国民に負担をお願いせざるを得ないと思っております。そう思って3年後、景気が少なくとも回復してきたという状況の中において、経済が好転したという段階においては、消費税を含めた税の抜本改正というものをやらせていただき、新たに増えます分に対する対応、新たに増えますというのは社会保障関係の対応につきまして、それに個別、まあ、何、勘定科目を分けるというのですが、そういうようなことをきちんとさせていただきまして、いわゆる社会保障関係がきちんと手当てできるようにする」

「財源というものに対し、消費税というのは避けて通れないと思っておりますが。鳩山代表の話を聞いておりましたら、この間の党首討論岡田代表岡田代表じゃない、代表候補者のお話との話の中においては、少なくとも消費税の話はしないという話になっているというように聞こえましたけれど、消費税の論議を避けて通るというのは財源を避けて通るということになると思いますが、それに関しましてはどのように財源を考えておられるのか。なぜならば、財源というものはがなければ少なくともこういう話は極めて無責任なことになりますので、財源というものをきちんと提示してこそ初めて政策が実現しうると、われわれはそう思っておりますので、ぜひ、この財源についてのご見解をいただければと存じます」


鳩山氏「私は今お話をうかがって、人の命より財源の方が大事かなと。やはり私は人の命をまず大事にする政治というものを作る。そのためには、必要な財源をまず投入すべきではないですか。それを最初から財源の制約というものを、財務省に言われて作った『社会保障費といえども聖域ではない』という、間違った論理の中で2200億円の財源、増えるべきものがカットされてきた。それがこんなありさまになってしまったんじゃないですか。財源の議論を私はするなというつもりはないんです。しかし人の命というものを、もっともっと大切にする。それが政治のあり方で、官僚任せにする政治が、どうしてもコンクリートの方が大事で、人の命というものを粗末にしてしまう政治に成り下がってしまっている。ここを変えなければならないと申し上げています」

「財源のお話をされました。そのご質問をいただいたわけですから、私からお答えいたしたいと思います。財源の手当てというのはご案内のように3種類あります。1つは増税をすること、1つは借金をすること、1つは無駄遣いをなくすことです。私どもは優先順位をまず、無駄遣いをなくすということに、徹底的に無駄遣いをなくしたいという方向からスタートしたいのです」

「今の政府は官僚任せにされているものですから、財源論のすぐ話になって、本来ならば消費税を上げないで済む話なのに、すなわち無駄遣いを徹底的に見直すという部分を、官僚主導でやられているもんだから、どこにも無駄がありませんという話になって、ならば減らせませんねと、減らせませんからしょうがありませんねと。借金をしましょう、借金でも足りなければ後は消費税の増税ですね。そういう話にすぐ変わってしまうのです。私どもはその前にやることがあるでしょうと。私どもは政権を取ったときに、まず4年間、消費税の議論にすぐ答えを出すんではなくて、これは官僚の抵抗がものすごく予想されますから、それに対して各省庁、事業仕分けなどをお互いにやっておりますけれど、事業仕分けなどを徹底的に行ってどのぐらい無駄があるか、いうことを点検しなければいけない。われわれが政権を取れば、あの川辺川ダムとか、八ツ場ダムとか、もう古くなった、今のご時世にあわないような大型の公共事業は基本的にやめようと思っています。そういうことをしながらですね、財源を生み出していく。私どもは無駄遣いを減らしていく。不要不急のものは後にしたっていいじゃないですか。私どもはですね、20兆円ぐらい新しい、新しい政策というものに予算を計上したいと思っているのです」

「皆さん方からいうと『そんな財源どこにありますか』と、必ずそういう話になるんです。だからお話を申し上げたいと思っているのです。一般会計と特別会計を合わせると210兆円あります。この210兆円の中で、社会保障費、国債費、こういったものはどうしても削れないのは分かっております。費目をいろいろ検討した中で、公共事業、施設費、人件費、補助金、こういったものを合わせると70兆円くらいになるんです。この70兆円の中の10兆円程度、私どもは、例えば随意契約を見直すとか、不要不急なものを後に回すとかして、当然の話でわれわれは10兆円くらい削減できると考えているんです。それをやるかやらないかは、官僚任せにしている政権はできない。でも官僚任せでない、国民の皆さんと一緒に歩む民主党ならできる。その発想で私どもはやらせていただく。だからこのようなことを行っていけば、決して今すぐに消費税の増税の議論に陥る必要はないんです。すなわち4年間の間、われわれが政権をとっても消費税の増税はしないとここに明言をしておきます。これでよろしいでしょうか」


麻生首相鳩山代表は前回の党首討論の中においても、4500の団体に、2万5000人の天下りOBがいて、そこに12・1兆円のいわゆる国の予算が流れていると主張をされておられました。12兆1000億円のほとんどというものは、これ、よーく調べていただかないといかんところだと思いますが、国立大学、私立大学などなど、教育に1兆2000億円出しております。また、独立行政法人に3兆7000億円入れておりますが、この中には、住宅金融支援機構に3000億円など、いろいろ例を挙げて出てまいりますが、われわれは、この間の話を聞いておりますと、これ全部足して申し上げてもいいですよ、これ。時間がもったいないんだと思って申し上げないだけなんですが、民主党は12兆1000億円が全部、天下りOBの人件費かのごとく話をされておられますが、これは12兆1000億円のうち、人件費は0・8%です。0・8%しか使われていない」

「残りの部分につきましては、今申し上げたような例をかければ金額が出てきますけれども、学校の問題に関しましても、少なくとも、こういった支援というものを、きちんと私立大学なり国立大学にしなければ、国立大学の授業料、今、50万円だと思いますが、ただちに5倍。250万円ぐらいにならないと計算が合わん。そういったようなことができるんでしょうか。私は基本的に、そういった点を一つ一つ、私どもは詰めた上で申し上げておりますんで、いかにも、2000、何って言ったっけ? 12兆1000億円がすべて人件費かのごとき話をされると、いかがなものか、という形を致しております」

「また、210兆円の話が出ましたけれども、ご存じのように、これは国債費80兆円。ご存じの通りです。また、社会保障関係費70兆円。これで 150兆円であります。また、地方交付税関係で20兆円出ております。したがって、これで170兆円。そして財投(財政投融資)に約10兆円出ておりますんで、残り約30兆円ということになりますが、その30兆円の中には、もちろん文教関係の中に、これが6・5兆いくらか出ておりますんで、そういったのを足していきますと、この中からいきなり210兆円から、こうやって振ってたら、20兆円出てくるかのごとき話には、私どもとしては、とてもではないけど、そういった話は現実論を欠いておるのではないか(拍手)。私どもはそう思っております。少なくとも、こういったようなことを、精査していただかないといかん話なのであって、現実論を言っていただかないと、どこがどういう具合なのかという点をきちんと言っていただかないと、今申し上げたような極めて不安感をわれわれは持たざるを得ないと。そういう風に思っております」


鳩山氏「だから、最初から私の話を聞いてくださいと申し上げているんでありますけれども、これは210兆円を官僚のやり方の仕分けをするのではなくて、私どもがきちんと別の費目で検討し直したんですよ。それで、さっき言ったじゃないですか。施設費とか、人件費とか、そういうものに分けるんで、社会保障費というものの中でも、全部がまったく切れないものではないんですよ。その中にも切れるものがあるんです。それを、われわれが点検をした中で、210 兆円の中で、70兆円はそれで積み上げることができる。この70兆円の中の10兆円程度ならば、十分に無駄だと考えてなくしたり、あるいは、今、急がなくてもいいから、後回しにしたっていいだろうというものを見いだすことができると。さきほどから、そう話をしたのに、いわゆる官僚任せに、ペーパーをそのまま棒読みされるから、結果として、間違った認識をそのまま持ってしまわれるのではないか。そう指摘せざるを得ないんであります(拍手)」

「それからですね、前回の党首討論の時に、確かに私が申し上げました。トータルで12兆1000億円。4500の天下り団体に2万5000人が天下っている。そのことを指摘を申し上げたら、こともあろうに、細田博之幹事長から、質問、公開質問状なんてものが来ました。ちょっとこれはいくらなんでも失礼な話でねぇ、今、まさに麻生総理と私との間のこういった議論を通じて解明すればいいのに、何ですか、この、顔もみないでペーパーだけ出して、これはいつまでに答えてくれなければいけませんと。これは大変、失礼な話だなと。ご無礼なことだなと思っておりますので、2度とこういうことはなさらないでいただきたい。私の方からきちんとお答えしますから」

「あの中に書いてあること。私は、政府に調べていただいて、それをペーパーにして、その中で読んだわけでありますので、その数字は正しい数字でありまして、決して間違っているわけではありません。一つ一つ、それを政府答弁として、私が国民の皆様方に、この党首討論でお話しした数字は決して間違っているわけではありません。その12兆1000億円のなかで、よく聞いていただきたい。8兆4000億円だと思いますが、その中の半分以上、随契なんです。随意契約であります。すなわち、随契、防衛装備なども入っていますよ。当然のことながら、それだって減らせない話じゃないでしょう。かなり相当高く見積もったものが、いろいろ出てきたことが指摘されているじゃありませんか。こういう1つ1つをチェックをしていけば、私どもとすれば、すべて12兆1000 億円全部が無駄なんてことは言ってませんよ。一言も言っていませんよ。その中に、かなりの部分、削減できるものがあるんではないですか、と言ったんです」

「人件費なんて言葉も、一言も使った覚えはありません。人件費がごく、ごくごくわずかであることは十分に理解をしています。だからこそ、随契とかそういう話を申し上げているわけじゃありませんか。ぜひ、そこのところはですね、政府なんですから。われわれは、予算を組める状況ではない。皆さん方が予算を組んでおられるわけだから、もっと一つ一つの中身を点検して、本当に無駄がないのかどうかをチェックをしてくださいよ(『そうだ』の掛け声。拍手)。政権をとれば、当然、われわれがチェックをいたしますが、政権をとる前は、あなた方がチェックするしかないんです」

「じゃあ、あなた方は、たとえば、河野太郎先生などが中心となって事業仕分けで、たとえば、アニメの殿堂国立メディア芸術総合センター)は無駄なんて話が出てまいりましたけれども、そういう議論は政府の中ではまじめにされてないんですか。無駄遣いはないと本当に麻生総理は思っておられるのかどうか、お聞きしたい(拍手)」


麻生首相「まず最初に、随意契約から入られましたが、随意契約というものは、約12兆円の約半分が随意契約という表現を使っておられましたが、これは計算をしてみますと、競争入札以外はすべて随意契約という計算でこれはできあがったんだと、理解を致しております。しかし、財政投融資資金なんかの貸し付けなんていうものは、これはそもそも、随意契約であろうはずはありませんから、それはいくら何たって、それを全部入札といわれるのはいかがなものかと。随意契約としてカウントしておられるのは、ちょっと正直申し上げて、おかしいんじゃないかと思っております。随意契約に、また、いろいろな、いろんな意味で、たとえば、(旧)防衛施設庁なんかのライセンス契約というようなものも、これは随意契約というものになりますんで、われわれの計算では正直申し上げて、ええ、なんて言ったっけ、随意契約といわれるものが、約2兆円ございます。2兆円ありますが、われわれがいう随意契約と、世間一般で言われる随意契約というもんだと思います。これが約2兆円ありますが、そのうちの約半分が防衛施設庁関係の、防衛庁関係のものだという点でありますんで、まず、いかにも、随意契約の半分以上が勝手に役人がやっているがごとき印象を与えるのは間違っていると思います。それがまず第一点であります」

「また、無駄ということに関しましては、われわれは当然のこととして、無駄が全くないと、一つもないというほど、私はすべての人間が完璧だと思ったことはありません。しかし、われわれとしては極力、無駄をなくすように努力をし続ける。不断の努力をし続けるのは当然なんであって、これは選良として、政府側の人間としては、当然のこととして、この種のものに対しては、目を光らせる義務、責任というものは、みな一様に負っている。なかんずく、そこに担当致します閣僚ともなれば、当然のことに、それはやらざるを得ない。またやらねばならん大事な大事な仕事だと、私どももそう思っております。いかにも、何となく、民主党になったら、すべての無駄がなくなるがごとき話は、とてもではないけど、われわれとしては、そんな簡単にいくもんでもありませんし、双方、この点は無駄だと言われるご指摘を入れれば、それはわれわれとしても、それを受け入れて、そういったものを調べて、対応をしていくもんだと思っております」



麻生首相「また、アニメの殿堂の話を具体例としてされましたけれども、これは何も、思いつきで私の段階から出たわけでもなんでもない。これは前々に安倍内閣の時にスタートし、福田内閣でこれを企画をし、私の時に実行させていただいたという、それまでの経緯がございます。少なくとも、われわれはこれからの日本のソフトパワーとしては、コンテンツというものは、今、日本で約14兆円ぐらいのものがありますけれども、14兆、世界では150兆のコンテンツ関係のものがあります。これはこれからもさらに伸びるといわれる部門であります。われわれとしては、映画、写真、いろいろとアニメ以外にもいっぱいありますが、こうしたものをきちんとして、われわれとしては系統立てて、それを支援していく。役人が、政治家がこの種のことに秀でていると思ったことはありません。したがって、これは運営等々は、民間に基本的にやってもらうのが筋だということを申し上げてきておりますので、思いつきで、何もやっているというわけでは全くないことだけは、私としては、誤解を招かれるような話になりすぎていると思っております(拍手)」


鳩山氏「私は12兆円すべてが問題だと言ってるわけではありませんで、その中の8兆円のうちの半分が随意契約だと申しあげたんですよ。ちゃんと、しっかりと聞いていただかないといけません。その随契、私どもの計算では随意契約が4兆円となっています。ですから今の、どちらが正しいのかをこれは私どもも、政府から計算をもらったデータでありますので、どっちかが間違ってるんでしょう。それは、ひとつ、正しいものにしていかなきゃいけませんが、われわれとすれば半分ほど随意契約があるな、という思いは、さまざまですね、今までの経験から感じているところであります」

「それから、アニメの殿堂の話がございました。私は、アニメの殿堂のことは、申し上げたのは、(自民党の)河野太郎先生がそれは不要だということで申し上げた。自民党の中から不要だという話が出たということで、そのことを政府としてどう考えているのかということを申しあげた話であります。そこに 117億円かける。今、安倍(晋三元)首相の時からという話がありましたけれども、補正予算ですよ。補正予算で組むのは、緊急的に本予算が終わった後、緊急的に必要になるところに組まれる予算でなければならないのに、なんで安倍首相の時からの問題が起きて、考えられていたものが突然、補正予算に組まれるのかということが、どう考えたっておかしいでしょ。それは私でなくたってこのおかしさは分かるはずであります。私はただ、論点を変えて申しあげればですね、こういった箱物ですよ。30兆円が土地だと承っておりますし、そのうち70兆円が箱物。そこで100兆円でしょ。あ、失礼、100億円。ごめんなさい。 30億円と100億円、合計100億円ということでありますが、そのことで私が申し上げたいのは、コンクリートより人の方が大事じゃないかということを申し上げたい」 

「すなわちですね、この3月、4月、自殺、どのくらいされたと思いますか。自殺の数がですね、毎日100人です。日本で。そんな国、先進国でどこにもありません。特に20代、30代の若い方々が自殺をされてしまっている。死因のトップですよ。亡くなった原因の、20代の49%が自殺ですよ。 49%。ほぼ半数が自ら命を絶たれてしまっている。30代も36%。3人に1人以上が自ら命を絶たれてしまっている。こんな国ないんです。先進国の中で、こんな若者の自殺が第1位なんて国ないんです。そういう人たちを救うことが政府の役割じゃないですか。私は1人の命も粗末にしないというのは、まさにそういう意味で申し上げているんであります」
「そのことをもしお分かりになっているならば、なぜですね、生活保護を、あの母子家庭の母子加算、4月にカットしちゃったんですか。200億円くらいでしょ。そのくらいのお金でできる話で。私はいろんなところから聞きましたよ。小学校に入り立てのお嬢ちゃん。お母さんが生活保護、母子家庭。2万円切られてしまった。そこでもう私は高校に行けないのね。その話、聞いたら涙が出ましたよ。高校に行けないのね。勉強したいのに。高校に行ってる男の子。3 人の兄弟のトップが高校1年生。彼も母子家庭。その方も修学旅行きたい。でも僕、修学旅行、行かなくてもいいよとお母さんに言ったそうです。修学旅行、行きたくても行けない。高校、行きたくても行けない。こういう人たちがたくさん今、いるんです。これが今、日本の現実なんです。自ら命を絶たれる方も毎日 100人おられるんです。こういう方を救おうじゃないですか。居場所を見いだせるような国にしようじゃないですか。そのために、なんで一方で、私は、アニメの殿堂を全部、悪者にしたいと思ってない。でも、アニメの殿堂のお金があれば、まず何で生活保護の家庭の母子加算に戻してあげないんですか。そういう政治をやりたいんです。やろうじゃありませんか」


麻生氏「まず最初に、2つ問題を分けておられますが、これ、時間も限られてますんで。あの、母子家庭の加算の話をされましたけども、これは母子家庭が置かれてます状況は実にさまざまであります。従って、先ほどの1日100人とおっしゃいましたが、これは正確に言いますと、過去10年間で毎年約3万人を超えております。それが実数でありまして、ずっと毎年3万人を超えているのは異常だと、私も、確かこれは最初、去年のうちに所信(表明演説)かどこか本会議でこの数字を告げたと記憶を致しますが、これは明らかに、鳩山代表、これは誰が考えても、おかしいです。しかも1997、8年の、あの、たぶん、金融、アジアの経済金融危機、あの時ぐらいが数字的には日数としてあってるんだと思いますが、その後ぐらいから急激に増えてきたというのが実数としてわれわれとして把握をしているところであります。したがって、この問題は非常に大きな問題なんであって、これは裕福か裕福じゃないかにかかわらず出てきておるというところも加えて問題なところです」

「したがいまして、われわれは、母子家庭というものを1つ例に引かれましたけれども、われわれはこれを一律というような今までのようなやり方ではなくて、少なくともこれまで月額2万3000円というのを、一律母子加算というものを廃止をしましたが、しかし、高校に行っておられる方々とかいうのに関しましては2万円。また、ご存じのように働いておられる、いわゆるなんていうの、就労している場合には、に関しましては、これは1万円というのをきちんと出させていただいておりますし、また、さらに今回の補正予算において職業訓練期間中などにおきましては生活費の支援というものは、職業訓練の間は働けませんから、そういった意味では生活費の支援として、われわれとしては最大3年間では限らせていただきましたが、14万円というものを給付するという制度も創設をしたわけでありまして、はっきり母子家庭を支援していくという視点は、はっきりしておると思います」

「時間なんですか? はい。あと1分だということなんで、これで終わらせていただきますが、話が途中になってるというとこもありますし、われわれとしては間違いなく、安全保障の問題。なんとなく、となりの朝鮮半島の話など、いろいろなお話を伺っておりますと、どう考えても(米海軍)第7艦隊さえいれば大丈夫だと。ね。第7艦隊だけいれば十分だという話が出てきてみたり。われわれとしては日米安全保障条約を確固たるものにするのが今、われわれとしてもっとも大事なところなんじゃないかと。私は基本的にそう思っております。第7艦隊だけで日本の安全が守れるであろうか、ということに関しましては、われわれとしては明らかに偏っていると思っておりますので、ぜひそういう意味では、われわれとしては、こういったことをきちんと対応するために、ぜひ委員長に、時間だと思いますが、次回、早急にこの問題に関しまして、財源の問題、財源を話さない政策などというものは無責任だと思っておりますから、財源の問題、そして安全保障の問題、この2つに関して改めて党首討論を開催していただくようぜひよろしくお願い申しあげます」


鳩山氏「今、ご提案ありましたから、まったく異論はありません。なにか突然に安全保障の話を最後にふられて、聞いておられる国民の皆さんもあぜんとされたんではないかと思いますが。私どもは、民主党自民党の政策の違いというものを分かりやすく説明をしようとして、今日は参りました。その意味で、コンクリートではなくて、人を大事にする政治だと。官僚任せではないと。国民の皆さんの視点にあった、そういう政治を作りたいと。縦の利権型社会ではなくて、横のきずなの社会を作りたいんだと。中央集権ではなくて、地域主権の世の中に変えたいんだと。こういう議論をですね、大いにこれからやりながら、国民の皆さんがなぜ麻生政権に対して残念ながら愛想を尽かしておられるのか、そう言ったことも明らかにしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いします」


国家基本政策委員会合同審査会
http://www.kantei.go.jp/jp/asophoto/2009/06/17qt.html


<関連>
20090812@党首討論 vs鳩山民主党代表
http://d.hatena.ne.jp/beber/20091209#p2

20090812@地上波でノーカット放送されなかった党首討論
http://d.hatena.ne.jp/beber/20100930#p1

20090527@党首討論 vs鳩山民主党代表
http://d.hatena.ne.jp/beber/20091207#p1

20081128@党首討論 vs小沢民主党代表
http://d.hatena.ne.jp/beber/20100217#p1