だいたい32×32で、麻生政権を振り返る。

麻生政権 2008年9月24日から2009年9月16日をドット絵で振り返っています。

20090403@ロンドンサミット閉会、ぶらさがり会見

 

2009(平成21)年4月(自民党 松本純の国会奮戦記2009-04)
http://www.jun.or.jp/diary/2009-04.htm
●1715〜総理ぶら下がりインタビュー/宿舎〜1740
金融サミット終了後、宿舎に急いで戻って、総理は、同行記者の皆さんによるぶら下がりインタビューを受けられました。冒頭、総理より、今回のサミットの成果などについて報告をした後、質問を受け付けるという形でインタビューは進められました。サミットの成果に関する総理の評価、北朝鮮ミサイル問題、オバマ大統領との議場内でのやりとりなどについて質問が出され、総理はこれに誠実にお答えしていました。


麻生首相ぶら下がり詳報(1)】「新興国支援合意は大きい」(2日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090403/plc0904031037016-n1.htm
麻生太郎首相は2日、主要20カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会合)終了後、ロンドン市内のホテルで記者団のインタビューに応じ、「新興国、途上国に支援をする合意ができたことは大きかった。自国経済、景気対策に精いっぱいで、新興国に対する配慮ができなくなることを非常に恐れていた」と述べた。ぶら下がり取材の詳報は以下の通り。

「それでははじめに、意外と時間が早めに終わる予定が長くなったりいろいろしましたけど、最終的に共同声明にいくまでになりましたので、その内容を旁々(かたがた)説明をしたいと思います。

現在の金融危機、経済危機の克服のためには、金融市場対策とマクロ経済対策の双方からの取り組みというものが必要ということに関しては、今回のサミットのコミュニケにおいて力強いメッセージのある内容となったと思います。いろいろ、欧州の意見と米国の意見が違うという話が出ていましたけれども、双方からの取り組みという点がきちんとできたのが今回の内容だったと思っております。少なくとも今日、集まった国のGDP(国際総生産)で大体世界の80%を占めていますから、その意味では大きかったと思っています。

第一の成果は、やっぱり世界的な需要と雇用の回復に向けて各国が引き続いて最大限に財政、金融上の措置を取っていかなきゃいかんという重要性がきちんと確認できたことだと思っています。財政出動も必要ということです。

日本としてはこれまでに取ってきた(平成20年度第)1次、2次補正、そして(平成21年度)本予算、加えて新しい経済対策というのを早急に策定をするということを申し上げてきましたけど。財政状況で許される最大限のいわゆる景気刺激策を考えているという旨の発表はしております」

「2番目。新興国、途上国というものの支援をする方策に合意ができたことは大きかったと思います。自国経済、景気対策に精いっぱいで、他国、アフリカやらアジアの国々、新興国に対する配慮ができなくなるというのを非常に恐れていたのですが、今日のゴードン・ブラウン(英国首相)の記者会見を聞かれた方も多いと思いますが、日本がIMF国際通貨基金)に対して昨年の11月、1000億ドルの融資を表明したということに、2回それに触れて、それにあわせて欧州も1000億ドル、それからその他、中国、ノルウェー、カナダ等々が出した話をしておりますけど、こういった国際通貨基金へのいわゆる供給をきちんとすることを決めたことは大きかったと思っています。

具体的にはIMFの新規の借り入れというものの取り決め、5000億ドル、これ増額します。また各国がIMFから必要な資金を取り出せる、いわゆる特別引出権、SDR(特別引き出し権)とよくいわれているお金みたいな特殊用語ですけど。

特別引き出し権。special drawing rightsというSDRというんですけど。これを新規に配分することなどを主張して、合意ができたというのは日本としては大きかったと思っております」

「もうひとつは輸出、輸入というものをする際に、これは信用収縮が起きていますから、金を輸出するに当たってFOB(本船渡し)をくんだりいろいろするときに必要な輸出入の保険の話なにやらがうまくいきません。そういった意味で日本はこれまでも通常、年間約900億ドルの規模の貿易金融というもので支援していたんですが、さらに2年間で220億ドル規模の追加的な支援を行いますということを表明しています。

これによって今後2年間で世界全体の貿易金融を約2500億ドル以上に拡大するという合意ができたというものも大きな貢献だったと思っています。また、特に対アジアの貢献策としては、日本は最大2兆円のODA(政府開発援助)を供与のします。

そういう用意があるということも表明をしております。それに加えてアジア開発銀行、通称ADBといわれるものの増資をやらなければとても対応できませんということで、この増資約3倍増資ということになろうと思っています」

「3番目は金融システムの改革に関しては、いわゆるヘッジファンドなどなどいろいろ問題があるのはご存じの通りなので、こういうものに対する規制、監督を拡大して、格付け会社、いわゆるムーディーズとかスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とかいろいろありましたけど、ああいった格付け会社というものへの登録制の導入というものについて、きちんとしない限りはということをワシントンでも言いましたけども、それに関しては具体的に導入することに具体的に合意をしております。

従って、今回の合意を第一歩として、今後さらに国際的な規制とか監督とか、よりきめ細かくを実施していく作業を強化すべきということを申し入れております。これに加えて、新たな保護主義はとらないということはワシントンのサミットのときに各国で誓約をしておりますので、これは堅持、最低これを1年間延長するとの合意は大きな成果だったと思っています」

「またこの間、各国首脳といろいろ時間がありますので、日本として北朝鮮に関していろいろわれわれとしてはこの土曜(4日)には、北朝鮮のロケットもしくはミサイルが日本の国の頭上を飛び越えていくんだということは極めてわれわれにとっては大きな話。

従って、地域の平和と安定を損なうことははっきりしているし、安保理決議違反であることもはっきりしているし、またこれを北朝鮮がわれわれの度重なる要請にもかかわらず、彼らが実行した場合、強行した場合においては安保理においてしっかりと取り上げる必要があるということに関して日本の立場をオバマ米大統領、メドべージェフ・ロシア大統領、そして英国のブラウン首相、李明博韓国大統領などほか、4月の安保理議長国がメキシコのカルデロン(大統領)になりますので、メキシコのカルデロン大統領、各国首脳に説明して、緊密な連携を確認をしたところです。

この後、胡錦濤中国国家主席とも会いますので、そこでしっかりとこの話については議論させていただきたいと思っています。大体私の方からは以上です」


−−今回の金融サミットで経済危機の克服に向けて、新たな一歩を踏み出せたと考えるか。また日本として十分な役割を果たせたか

「そうですね。いろいろ噂は出ていましたけど、少なくとも財政出動派とか財政均衡派とかいろいろな表現はされていましたけど。少なくとも主要国との会談の中において、各国に大きなブレはなかった。

それははっきりしていると思いますので、そういった意味では各国状況については4カ月前に比べれば、はるかに状況に関しては、あのときは(米大手証券「リーマン・ブラザーズ」破綻(はたん)による)ショックが起きた直後でもありましたので、対応はフラフラ、まだまだ右往左往というのが正しいのかな。

いろんな形で各国、自国の銀行が倒産する状況でしたから、あれに比べたら今の状況が、5カ月もたっておりますので、だいぶ、それの状況認識に伴って対応も必要性、何がということが分かってきたと思いますので、少なくとも大筋において一致するというのはやっぱり今回は大きかったと思っています」

「日本からについてはこれやっぱりブラウン(首相)が言ったように、やっぱりIMFのやっぱり最初の1000億ドルの融資というのが最初の具体的に金額を示したのは日本が最初ですから。そういった意味では日本の最初のあれが大きかったということをブラウンが言ったのはその通りだと思っています。

また、貿易の金融ということに関しては、貿易というのは途上国、新興国にとっては大きなウエートを占めます。輸出に関するいわゆる資金というものの保証というか保険、そういったものに対して、日本からさらなる追加を出して、貿易の保険とか再保険とかいったものの追加支援を行うということをしたのは、こういうことが詳しい人には意味がすぐ分かるところだったと思っております。

また途上国の支援でいえば、1月のダボス会議において表明した対アジアの貢献策の拡大ということを言っておりますので、ODAの話となにやらあわせて、こういったのをきちんと表明して、これはコミュニケの中にも、IMF基金の拡大、貿易金融支援、それから途上国、新興国の支援などが盛り込まれておりますので、日本としてG20の合意の形成に十分貢献できたと思っています」


−−今年の終わりまでに今回の会議をレビューするための会合をやることで合意になったが、どういう会合であるべきか。日本で主催する考えは

「今回の会合をこれで終わりにできれば一番うまくいったということの証明なんだと思いますが。残念ながらその答えが実際にどういう形で出てくるかというのはこれからの世界の経済状況を見れば下ぶれリスクも考えないといけないということだと思っております。

そういった意味では、もう一回これをきちんとどうなったかというのを見直す、見直すじゃない、検証する必要はあるという意見は多く出ました。そこで、みんな集まりやすい時期というのを考えて、9月、国連総会のある最中ぐらいにニューヨークでやるというのは、ちょうど今から5カ月ぐらいですから、そういった意味ではニューヨークのときに、国連総会のときにニューヨークでというのが各国一番集まりやすい。

加えて、もともと(金融危機が)始まったのはニューヨークから始まっているのですから、そういった意味ではニューヨークでやるという案が、米国等々から出ておりますので、われわれとしてはいいことじゃないかという話をしております」


−−北朝鮮が長距離弾道ミサイルの発射を強行したら、安保理に提起すると言うが、中国やロシアは態度を明確にしていない。国際社会が足並みをそろえられるか

「前回の時のように、安保理決議が全会一致でいけるかどうかということに関しては現実問題としてロケットとしてうまくロケットとして衛星回路に乗っかるとか、途中で落ちるとか、落ちた破片物だとかいろんな状況がありますので、今の段階で安易にどうなるということを予測することは難しいと思っています。

ただ、いずれにしても、日本の頭の上を飛び越えてロケット実験が行われるということに関して、ロシア、米国等々に関してはこの話はすでにしてありまして、ロシアに関して、米国に関して理解は得ております。

中国は今からであります。この後の会合で、お話をしたいと思っております」


−−国際社会が一致してメッセージを出すことが…

「大事なことだと思いますね」


−−そこで、やっていけるか

「さあ、これは相手のあることだから何とも言えませんけどね。ただ、きちんとした対応をしないと、間違ったメッセージが伝わるという可能性は避けなきゃならん。朝鮮半島の非核化ということに関しては中国の理解を得られていると思っております」


−−オバマ大統領とは、今日はどのような場で、どのような意見交換があったのか

「何回もありましたからねえ…。会談の途中に時間が空きましたから、その間に、向こうから来たり、こっちから行ったりしていろいろ意見を交換したところです。日本への訪日の話もしてましたし、いろいろしてましたので。どういう状況でといわれても困る。会議の間中、何回か。昨日もありましたし、今日も。合計で5、6回あるんじゃないかしら」


−−具体的に安保理決議の話はオバマ大統領と話をしたか

「国連の話ですか。結局、決議は前回同様に、日本としては、国連の安保理決議違反なんだからということで、きちんとしたメッセージを日本としては出さねばならんと思って安保理に上程しますので。

それに対して賛意をということで、それに対する理解を得ています」


−−各国が、意見の一致について…

「主語を言え。主語を。サミットの話? 北朝鮮の話? どっち?」


−−サミットの話だ。各国の意見が財政出動をめぐって一致したりするということで、フランス、ドイツとか事前に開催前から話していたが、会合では「そういうことはなかった」と言っていた。会合前に共同会見を開くとかいろんな動きがあったが

「お互い、話の意見の交換はするんだと思いますが、両方として、えらく対決するような情報は、各国に限らず、日本の新聞には載っていたよね。

あなたの新聞は知らんが、出ていましたけども、そういったような話はありませんでした」



<関連>
20090402@ロンドンサミット
http://d.hatena.ne.jp/beber/20091217#p1

20090402@日英首脳会談
http://d.hatena.ne.jp/beber/20100128#p1

20090330@フィナンシャル・タイムズ単独インタビュー
http://d.hatena.ne.jp/beber/20120319#p1