だいたい32×32で、麻生政権を振り返る。

麻生政権 2008年9月24日から2009年9月16日をドット絵で振り返っています。

20081001@細田幹事長「もう小沢政治はこりごりだ、自由な自民党の方がいい」



Japan's Prime Minister Taro Aso speaks with cabinet members before the plenary session at the Lower House of Parliament in Tokyo October 1, 2008. Aso, who blasted the Democrats in his first policy statement since taking office last week after his predecessor abruptly quit, has been expected to call a snap poll for parliament's lower house for as early as next month to try to break a political stalemate that is stalling government policies. REUTER/Yuriko Nakao (JAPAN)


民主党代表質問で首相の「逆質問」無視へ
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20080929-414159.html
[2008年9月29日]
麻生太郎首相が29日の所信表明演説民主党に「逆質問」したことについて、民主党は代表質問で一切回答しない方針を固めた。

小沢一郎代表は10月1日の代表質問で、次期衆院選マニフェスト政権公約)を公表。政権交代を念頭に、小沢氏の「所信表明」と位置付け、首相には答弁を求めない。臨時国会冒頭の「党首対決」は、首相の所信表明を踏まえて野党が質問し、首相が答弁するという慣例を外れた異例の展開となりそうだ。

麻生首相は所信表明で、民主党に対し「日米同盟と国連と、どう優先劣後させようとしているか、論拠とともにうかがいたい」などと質問。29日夜には記者団に「お答えをいただけると思っている」と述べた。

鳩山由紀夫幹事長は記者団に「麻生内閣には語るべき政策がないから(小沢氏が)首相に質問しても意味がない。国会の場で、麻生氏より小沢氏の方が『首相の器』だと示す」と狙いを説明。

首相の要求には「答える責務は全くない。失礼なことを言われて黙っているわけにはいかない」と述べ、自らの代表質問で異議を唱える意向だ。

小沢氏に次いで質問に立つ鳩山氏は、汚染米不正転売や後期高齢者医療制度、辞任した中山成彬国土交通相任命責任、金融不安、年金問題の「5点セット」で首相を追及する構えだ。


「小沢政治こりごり」と自民・細田氏−代表質問で民主代表を痛烈批判
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-K81XD01A74E901.html
10月1日(ブルームバーグ):自民党細田博之幹事長は1日の衆院本会議で行われた麻生太郎首相に対する代表質問で登壇、かつて自民党幹事長として「剛腕」と呼ばれた民主党小沢一郎代表に対する痛烈な批判を繰り広げた。

細田氏は「小沢代表の強引な政治のイメージこそが、麻生首相と小沢代表についての世論調査による期待度の差として明らかに現れている」とばっさり。返す刀で「小沢氏について行った方々は今、自民党に15人以上いるが、その方々は『小沢政治はこりごりだ』という気持ちでいっぱいだ」と切り捨てた。

麻生首相は9月29日、就任後初めての所信表明演説で、次期衆院選をにらみ、民主党に対して同党が政権公約マニフェスト)に盛り込んだ施策の財源などをただした。1日の代表質問でトップバッターを務めた小沢氏が政権交代に向けて所信を表明するなど、今臨時国会は冒頭から異例の演説、質問、答弁が続いている。

細田氏の発言は次の通り。

「わたしが初当選をした時、小沢代表は自民党の幹事長だった。すでに8回当選され47歳にして史上類をみない最高権力を持つ自民党幹事長だった。当時は海部俊樹首相(自民党総裁)、そして金丸信副総裁など、『金丸・小沢ライン』が日本の政治を壟断(ろうだん)していたと言っても過言ではない。わたしは心ひそかに当時の小沢幹事長を尊敬していた」

「小沢氏はその2年後、金丸脱税事件の直後に自民党を同志とともに脱党され、新生党を設立して宮沢喜一内閣を倒し、細川護熙連立政権を樹立した。細川内閣を設立して政治改革法を通して、少数政党にとって極めて厳しい小選挙区比例代表制度を強引に通した」

「ねじれ現象の結果、民主党はあらゆる法案を妨害する。強引な政治のイメージこそが麻生首相と小沢党首についての世論調査による期待度の差として明らかに現れている」

「小沢氏について行った人は今、民主党に6−7人いる。自民党に15人以上いる。しかし、その方々は『もう小沢政治はこりごりだ、自由な自民党の方がいい』という気持ちでいっぱいだ。本当に次の選挙で政権移譲していいのか、このことを非常に疑問に思っている」


細田博之幹事長 代表質問全文
http://tamtam.livedoor.biz/archives/51044376.html
第170回臨時国会 細田博之幹事長 代表質問(10月1日)

私は、自由民主党を代表し、麻生総理の所信に対して質問をいたします。(拍手)

ここで、予定外ではございますが、申し上げたいことがございます。

ただいまの小沢民主党代表の質問を伺うと、一昨日の麻生総理の民主党への問いかけにほとんどお答えになつておりません。甚だ遺憾であり、この後、鳩山幹事長にお答えいただきたいと思います。

私が国会に初当選をいたしましたときに、小沢代表は我が自由民主党の幹事長であられました。

既に八回当選され、四十七歳にして、史上類を見ない、最高の権力を持つ自由民主党幹事長であられました。

当時は、海部総理、そして金丸副総裁等々、金丸・小沢ラインが全国の、この日本国の政治を聾断(ろうだん)していたと言っても過言ではありません。私は、心ひそかに小沢当時幹事長を尊敬しておりました。

そして、それから二年後に金丸事件、脱税事件が起こりましてびっくりしておりましたところ、その直後に小沢元幹事長は我が自民党を同志とともに脱党され、そして新生党を設立され、宮沢内閣を倒し、そして細川連立政権を樹立したのであります。(発言する者あり)関係がないように言われますが、そうではありません。細川内閣を設立して、政治改革法案を通して、少数政党にとって極めて厳しい小選挙区比例代表制度というものを強引に通された。

それだけではありません。細川政権が発足して数カ月で、国民福祉税、七%の消費税を導入すると発表されまして、そして、細川政権はわずか九カ月で崩壊したのであります。その後の羽田政権、羽田総理にも私は尊敬申し上げておりますが、その国民福祉税の関係で社民党が離脱され、そして、さきがけが離脱されて、わずか合計十一カ月で政権がほうり出されたわけでございます。

安倍政権や福田政権は、教育改革、憲法改正、その他道路財源の一般財源化を含めまして、前向きの政策を次々に実現され、行政改革も実現された。しかし、いわゆるねじれ現象の結果、あらゆる法案を妨害する、その中で福田内閣も苦労され、そうして一年でこの麻生政権にかわったわけでございます。まあ、これ以上申しません。

いろいろ長い経過を、私なりに経験いたしますと、強引な政治のイメージこそが麻生総理と小沢党首についての世論調査によります期待度の差として明らかにあらわれている。

小沢さんについていった人は、今、民主党席には六、七人おられます。

この閣僚席に三人おられます。我が自民党に十五人以上おられます。しかし、その方々に聞いてみると、もう小沢政治はこりごりだ、自由な自民党の方がいい、そういう気持ちでいっぱいでございまして、これは私どもとしては、本当に次の選挙で政権移譲をしていいのか、このことを非常に疑問に思っていることを申し上げたいと思います。


さて、本題に戻ります。

国際金融問題の深刻化と原油をはじめ資源資材・食料価格等の高騰による国内景気の後退、北朝鮮の六者協議合意からの逸脱など、政治は一刻の猶予も許されない状況であります。

麻生総理は、堂々たる論戦を行った自民党総裁選挙に勝ち抜かれ、この国会で内閣総理大臣に指名されました。麻生新総理が、国民に訴えかけた日本の将来ビジョンの実現に向け、力の限り突き進んでいかれることを期待いたします。


(テロ対策特別措置法)
アフガニスタンの地で8月、NGO職員の伊藤和也さんが、武装勢力の凶弾に倒れ、亡くなられるという不幸な事件がありました。心よりご冥福をお祈りいたしますとともに、今日までのご功績に対し、心より敬意を表するものであります。

総理、アフガニスタンにおけるテロ組織撲滅のための国際行動に対するわが国の貢献の継続は、現行のテロ特措法の期限が明年1月に切れることを考えれば、いま当面するもっとも重要な課題の一つであります。

テロリストが外貨獲得の資金源としている麻薬の海上輸送を封じ込めるためにも、武器やテロリストの移動を封じ込めるためにも、国際社会が協力して行っている海上阻止活動は、その重要性をますます高めております。

民主党の小沢代表は、”国連至上主義”ともいうべき立場で、国連軍あるいは国連決議があれば武力行使も可能であると明言しております。国連決議のもとでアフガニスタン国内に部隊を派遣し、治安確保に当たらせる。攻撃を受ければ反撃し、武力行使もできる、ということであります。

これはわが国の憲法上、議論のあるところであります。国民にも、民主党内にも必ずしも合意のないことを、あたかもできるかのように吹聴し、実際は何もしないというのでは、日本は国際社会から孤立してしまいます。

わが国が行っているイラク人道復興支援活動、インド洋での補給支援活動は、自衛隊が行える極めて適切な活動であり、国際社会の評価も高いものであります。イラクでの航空自衛隊の空輸活動は年内に無事に終了するでしょう。自衛隊の活動に野党は口をきわめて反対してきましたが、われわれ与党は「やはりやってよかった。国際社会に対する責務の一端を果たせた」と胸を張って言いたいと思います。

麻生総理の胸の内には、臨時国会最大の課題として、間違いなく新テロ特措法の延長実現があると確信しております。改めて総理に延長実現の決意をお伺いします。


北朝鮮問題)
次に北朝鮮問題についてお伺いします。

8月、北朝鮮は米国のテロ支援国家指定解除がなされないとして核施設の無能力化作業を一方的に中断し、先週にはIAEA国際原子力機関)が設置した使用済み核燃料再処理施設の封印と監視カメラを撤去したことが明らかになりました。

北朝鮮核兵器保有することは、わが国の安全保障に極めて重大な問題であり、国民の安全と安心に責任を持つ政府・与党としては、到底許し難いことであります。国際社会と協調して断固破棄させることが必要です。

米国、また拉致問題を抱えるわが国は、毅然とした態度を貫き、北朝鮮が六者協議の合意を誠実に履行するよう、強く求めていくべきであります。北朝鮮が六者協議の約束を果たさず、拉致問題についても誠実に対応しないのであれば、わが国はより厳しい経済制裁措置を講じなければなりません。

総理は、ニューヨークでの国連演説で横田めぐみさんに言及し、拉致問題を国際社会に訴える一方、「北朝鮮の行動に応じて、不幸なる過去の清算にも取り組みながら日朝関係を前進させる用意がある。待っているのは北朝鮮の行動だ」と、北朝鮮に呼びかけました。

総理は北朝鮮の情勢をどう見ておられるのか、また今後の六者協議に臨む基本的考え方、核問題および拉致問題解決への取り組み決意についてお伺いします。


(ゆるぎない日米同盟の再確認)
最近のロシアや北朝鮮の動向、またアフガニスタンイラクの状況等を見るにつけ、自由と民主主義、自由経済という、共通の価値観を共有する諸国の結束の重要性は、冷戦の終焉以降、最も高まっていると痛感します。

わが国においては、確固として揺るぎない日米同盟関係を基軸に、国際協調とアジアに立脚した外交を展開する、これがわが自由民主党が立党以来掲げてきた外交の基本方針であります。

いま、わが国では二大政党制と政権交代論が議論されております。それを否定するものではありませんが、国民と国家の命運を託す政権を選択する場合には、内政にもまして、政権を担わんとする政党が、外交と安全保障にどのような考えを持っているのか、その点が議論されるべきであります。

外交・安保の基本方針をあいまいにしたまま政権交代がなされた場合には、同盟国である米国はもとより、中・露・韓などの近隣諸国、北朝鮮に誤ったメッセージとなり、さまざまな混乱を惹起せしめかねないのであります。

わが国のかじ取りを担うことになった麻生総理に、わが国の外交の基本スタンス、日米同盟関係についての所信を伺います。


(金融・資本市場安定化への協力)
昨年、米国のサブプライムローン問題が顕在化して以降、世界の金融・資本市場は一年以上にわたり動揺が続いています。米国のブッシュ大統領は9月の国連演説で世界恐慌の回避を訴えましたが、米国議会が金融安定化法を否決したために、金融市場、証券市場に大混乱が発生しております。

わが国としても国際金融の安定のために、できる限りの貢献を果たすべきだと考えます。総理に世界の金融・資本市場の現状に対する認識と、わが国として何をなすべきか、また米国等との国際協力について、ご決意を伺います。


(気候変動問題)
次に、気候変動問題への対応について質問いたします。

福田前総理が議長を務めた今年7月の洞爺湖サミットで、わが国のイニシアチブにより、G8各国は2050年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも50%削減するという長期目標を、世界全体の目標として共有と採択を求めることで一致しました。大きな成果ではありますが、反面、推進にはかなりの困難がともなうとも思います。地球環境問題にどのような決意で取り組んでいかれるのか、総理にお伺いします。

次に内政について質問します。


(総合経済対策)
総理は、”日本経済全治3年”と診断し、まず景気対策、そして財政再建、成長政策(構造改革)が重要であると訴えられました。私も同感であります。まず当面の景気対策にあらゆる手段を投入し、経済を活性化して成長を実現し、それを維持して歳入増につなげ、結果として財政再建が実現するのであろうと思います。景気対策に思い切った対策を打つほど、効果が早く、力強く現れることは当然であります。

当面、国会に提出された事業規模11兆5000億円の補正予算を早急に成立させなければなりません。生活者不安の解消や足腰の強い農林漁業の復活、中小零細企業の年末資金繰り等に万全の手を打った上で、その次は、いよいよ”麻生カラー”を打ち出す来年度予算であります。

総理は、経済活性化に効果のある政策として、減税を主張しておられます。先進国で最も高い法人税の減税をはじめ、設備投資減税、研究開発投資減税、住宅投資促進減税、証券市場活性化減税、子どもの数に応じた子育て減税、高齢者を抱える世帯の介護減税など、企業や国民を元気にする思い切った減税を、ぜひとも来年度予算で実現していただきたいと思います。

減税は経済活動を刺激し、成長を促進し、税収増をもたらし、財政健全化に資する政策であります。また、企業や国民の自助努力を支援し、めぐりめぐって国民の社会保障負担の軽減や個人消費の拡大に資する政策でもあります。

一時的な歳入減は生じますが、歳出の削減や、余裕のある分野の取り崩しによって賄うことは十分可能であると考えます。財政論や理屈にとらわれず、国民のためになる政策を積極的に、大胆に決断するのが政治であります。ぜひとも減税について、総理のご決意をお示しいただきたいと存じます。

そして、成長政策こそは構造改革であります。規制改革はあたらしい事業分野を生み、就業機会を提供します。環境、省エネ技術、太陽光発電などの新エネルギー開発、医療、食料、バイオなどの技術革新は、強い国際競争力を実現し、世界から日本に富を呼び込み、国民所得を大いに押し上げるものであります。

例えば、京都大学山中伸弥(やまなかしんや)教授のチームが開発したヒトの皮膚細胞から作ったiPS細胞(人口多能性幹細胞)の研究は、いまや国際的な特許競争の最先端にあります。日本の20年度予算は補正を加えて60億円ですが、米国は日本の10倍以上の予算をつぎ込んで研究開発に取り組んでおります。

こうした研究や技術開発により、設備投資が行われ、眠り続ける1500兆円の個人金融資産が有効に活用され、配当が国民の富として還元されるのであります。

総理には、景気対策財政再建、成長政策を一体のものとして取り組み、「日本の底力」を呼び覚まし、「強くて明るい日本」をつくっていただきたい。

成長政策を実現するため、どのような構造改革が必要と考えておられるのか、総理にお聞きいたします。


(地方の活性化)
小泉政権以来、”国から地方へ”を旗印に、三位一体改革により税源と権限を地方に移譲する一方、3200市町村が1800に統合した市町村合併の推進により行政経費を削減するなど、地方行政の改革を進めてきました。

しかしながら、実態は、公共事業費の3%削減の継続により、地方景気が打撃を受けたのに加え、地方税である法人事業税、法人住民税は本社の集まる大都会に集中するため、交付税が大幅に削減された影響が、特に財政の苦しい窮乏県に顕著となって地方は疲弊しきっております。このため、国から補助金をもらっても、財源がないため実施できないケースも増えており、地方の公共事業削減は、国の平均を大幅に下回るマイナス5%から6%に達しているのが実情であります。過疎化、高齢化もますます加速して進んでおり、地方の悲鳴はいまや頂点に達しております。

麻生総理は、総裁選挙でこうした地方の実情に深い理解を示し、景気対策原油・食料などの高騰に苦しむ地方の経済に抜本的な手を打つ考えを示して圧倒的な地方の支持を得ております。疲弊した地方を元気にするには、地方独自の税財源の確保や一次産業の活性化にこれまでとは違った知恵が必要と考えますが、総理のお考えをお伺いします。

また、地方財政の充実について、どのようなお考えをお持ちか、鳩山総務大臣にお聞きいたします。

総理に提案致します。この際、都市と地方の物流コストを大幅に引き下げ、地方景気を活性化するため、特に地方の高速道路について、緊急措置として当分の間、道路財源を活用してさらなる引き下げを実施してはいかがでしょうか。総理のご見解をお伺いします。

また、料金引き下げに当たっては、ETC利用者だけではなく、すべてのユーザーに公平にメリットが生じる方法をとるべきであります。このため、路線全体についてすべての区間料金を引き下げるべきだと考えますが、総理のご見解をお伺いします。


道路特定財源一般財源化)
次に、道路特定財源一般財源化について質問します。

福田前総理は国民の前に、道路特定財源を21年度から一般財源化することを明言しました。これは、麻生政権に代わってもやはり重要な国民との約束であると思います。

道路特定財源制度を、地方財政に悪影響を及ぼさないような措置を講じつつ、新エネルギー開発など地球温暖化対策、救急医療体制の整備、少子化対策などさまざまな政策に使えるようにすることは時代の要請であります。

とはいえ、ガソリンや自動車に課税することに理解と協力を求めてきたユーザーなどへの配慮や、地方の道路整備の必要性への配慮は、やはり必要であると考えます。厳格、かつ客観的な評価を行い、本当に必要と判断される道路は着実に整備するとの方針のもとに新たな道路整備5カ年計画を策定すべきだと思いますが、総理のご所見をお伺いします。

また、批判のあった道路予算の不適切な支出や、道路予算に大きく依存している公益法人の廃止・民営化、契約の在り方の見直し、不透明な天下りの排除も徹底しなければなりません。一般財源化にともない、暫定税率の在り方をどうするのかとあわせて、総理にお考えをお聞きします。


(消費税をめぐる議論について)
わが国においては、これまで消費税については極めて不幸な議論がなされてきました。つまり、消費税は低所得であるほど税負担が重くなる、という逆進性の主張であります。しかし、外国を見ると、なぜ、ドイツは大連立政権を樹立して、昨年、消費税を16%から19%に上げることができたのでしょうか。また、北欧諸国においても、20%を超える消費税率を国民は認めているのでしょうか。

それは、逆進性の議論は誤りであり、消費税負担は高所得になるほど大きく、またその消費税は社会保障財源として国民に還元され、その恩恵は低所得であるほど大きいという事実を国民が当たり前のこととして理解しているからであります。

日本で、仮に1%消費税が上がると2.5兆円の増収です。1億2500万人の人口で割れば、単純に国民一人当たり2万円の負担という計算なります。一方、実際の負担でみると、1%の増税は、100万円消費する人にとっては1万円、4人家族で400万円消費したとしても、1家族当たり4万円となります。国民一人当たり2万円の負担増が庶民にとっての負担は1万円の増、差額の1万円は社会保障などに使えるからプラスが大きい、これが欧州諸国の共通認識であります。

つまり消費が多い豊かな人ほど、税負担をしていただくということです。増税した分は、社会保障費などに充てることとすれば、従来の逆進性の議論が誤りであることは明らかです。言い換えれば、消費税の増税は、そのような低所得者や生活に窮している人たちの暮らしを守るために効果的であるとも言えるのです。

足元の医療や介護を充実し、年金など国民の将来への不安を払しょくするためにも、消費税の引き上げが庶民にとってプラスが大きいという認識を明確に国民に理解いただく努力をすべきではないかと考えますが、私の提案について、総理のご見解をお伺いします。

また、これと関連して、社会保障費の抑制措置について、今後どうしていくべきだと考えているのか、総理にお伺いいたします。


(高齢者の医療制度)
次に、高齢者の医療制度についてお尋ねいたします。

高齢者医療について論ずるに当たっては、わが国の医療保険制度の優れた点について、十分に認識することが必要であります。わが国は、「国民皆保険」制度になっており、自己負担については、1000万円の手術をしても75歳以上であれば、一般の方では月に44,400円の負担で済むことになっています。

年間で400万円以上の医療は約2万7千件ありますが、医療費に比べてわずかな負担で済むことにより、高額の医療も日常的に提供されているのです。こうしたことを忘れて議論が行われてはなりません。

アメリカのように、高度な手術が必要な病気にかかっても、ほとんどの人が保険がなく、手術ができない国と比較して、小さい負担でできるわが国の幸せを、もっと実感すべきです。わが国の優れた「国民皆保険」制度を、高齢化が更に進行していく将来においても、しっかりと守っていくことこそが、責任政党であるわれわれに課せられた責任であります。

こうした中で、今年の4月から長寿医療制度がスタートしました。これまでの老人保健制度が抱えてきた問題点を解決するため、十年にわたる議論を経て制度化されたものであります。施行当初は、説明不足等により国民の間に混乱が生じましたが、国民の方々から頂いた様々な御意見を受け止め、政府・与党として低所得の方の保険料を更に軽減するなどの改善策もとりまとめ、逐次実施に移してきたところです。

しかしながら、なお国民の方々の理解を得ることが難しい点が残されていることも事実であり、こうした状況を踏まえ、麻生総理は所信表明演説において、長寿医療制度について、高齢者に納得していただけるよう、必要な見直しを検討するといわれました。

そこで、今後どのような方針で見直しを行うのか、総理の長寿医療制度の見直しについての基本的な考え方や具体的な視点をお伺いいたします。

また、厚生労働大臣には、民主党が主張するように、単に老人保健制度に戻し、さらに、制度の一元化を図ることとした場合に、どのような問題があるのか、総額33兆円、一人当たり26万円に膨らんだ国民医療費の問題を、国民にわかりやすく御説明いただきたいと思います。若い世代にしわ寄せが来るのではないか、負担の下がった75%の人はどうなるのか、高齢者の多い市町村国保や、中小企業サラリーマンの政管健保の保険料が引き上げられるのではないか、など、さまざまな懸念があります。こうした懸念について、詳細にご説明願います。


(国民生活の安心安全)
次に、国民生活の安心安全について質問いたします。

日雇い派遣など不安定な状況に置かれている若者支援について、総理は、所信表明において新法を制定する考えを表明されました。将来への展望が持てずにいる若者を大きく勇気づけたと思います。具体的にどのような支援策を講じられようとしているのか、総理のお考えをお聞きします。

消えた年金事故米問題は、根の深い問題であります。どちらも共通するのは、役人がやるべき仕事をしない、親方日の丸的公務員体質が生んだ弊害であるということであります。

麻生総理は所信の中で「公務員は経営資源である」と表明されました。全くその通りだと思います。公務員は身分ではなく、職業である、との当たり前の原点に一人ひとりの公務員が立たない限り、行政の不作為とむだ遣いの根は絶たれないのであります。公務員の不祥事についても、分限免職を適切に発動すべきです。公務員制度改革の推進について、総理のご決意をお伺いします。

今回の事故米の食用への横流し事件は、消費者の食の安全に対する信頼を根底から揺るがしました。二度とこのような事態が発生することのないよう、万全なる対策を講じ、国民にとって最も大切な食料である米について不安を払拭し、安全・安心なシステムを早急に確立するよう強く求めます。事故米問題についての総理のご見解をお伺いします。

また、社会保険庁の職員が、無許可で違法な労働組合の専従活動をしていたという「ヤミ専従」問題についてお伺いします。勤務中に自治労の組合活動をしてきた職員や、それを黙認してきた事務所長等の管理者を告発する等の厳しい対応が必要と考えます。また、すでに発覚した東京、大阪、京都だけで、8.3億円ものお金の返還が行われましたが、残る県についても、調査を徹底し、ヤミ専従の事実が明らかになれば、厳しい対応をすべきだと考えます。あわせて舛添厚生労働大臣の見解をお伺いします。

国民生活の安心安全を守るには、そのことを使命とする行政の仕組みが講じられるべきであります。その意味で、国民は消費者庁に期待していると考えますが、消費者庁がしっかりと機能するためには、各省庁の有する権限を、当該府省の強い抵抗を排して移管または共管にしなければなりません。

行政改革そのものである消費者庁の設置に総理はどのような決意で取り組まれるのか、お伺いします。


郵政民営化の推進)
次に、郵政民営化についてお伺いします。

民主党国民新党は9月16日、郵政事業の抜本的見直しを民主党の次期選挙公約に明記することで合意しました。株式売却凍結法を早期に成立させる、郵政事業の4分社化を見直す、郵便局での郵政三事業の一体的サービス提供を保障する、というものであります。これは、民営化をやめさせ、郵政公社を事実上復活しようという動きであり、国民は断じて許さないのであります。JRも、NTTも、JTも、JALも、JHも、民営化の先輩会社はすべて立派にやり遂げ、国民にとってはサービスと利便性の向上、国にとっては財政に寄与した実績を忘れるべきではありません。

総理に郵政民営化推進の決意をお伺いいたします。


民主党の財源の問題点)
最後に、民主党の小沢代表が表明した財源案について中川財務大臣のご見解をお聞きいたします。

民主党の小沢代表は再選された9月21日、民主党が政権を担った場合に行う主要政策の経費を22兆円とし、その財源を一般会計と特別会計を組み換えることによりねん出するとの考えを示しました。さきほどの小沢代表の質問では、20.5兆円と言われたかと思います。

今の予算から20兆円の財源を捻出しようとすれば、既存の政策経費約30兆円のうち、約7割をカットしなければ実現できないのであります。果たしてそのようなことは可能でしょうか。また、民主党は、財源の中身の一部として、国家公務員の人件費の総額を2割カットし、1.1兆円をねん出するとしておりますが、本当に実現できるのか、甚だ疑問と言わざるを得ません。財務大臣のご見解をお聞かせください。
以上をもちまして、私の質問を終わります。


20080929@所信表明演説
http://d.hatena.ne.jp/beber/20091225#p1

20081001@わたしが決める
http://d.hatena.ne.jp/beber/20100224#p2


20090602@細田幹事長から鳩山民主党代表へのお手紙(その1) 「貴殿の発言は常軌を逸している」
http://d.hatena.ne.jp/beber/20120313#p1

20090609@細田幹事長から鳩山民主党代表へのお手紙(その2)「ご回答いただけない場合は然るべき対応をさせていただきます」
http://d.hatena.ne.jp/beber/20120314#p1

20120124@わさびの効いていないお寿司、抱きつかれてクリンチされた感じ
http://d.hatena.ne.jp/beber/20120302#p1