だいたい32×32で、麻生政権を振り返る。

麻生政権 2008年9月24日から2009年9月16日をドット絵で振り返っています。

20090227@「このおじさん、いったい何を言い出すんだ」



[001/002] 171 - 衆 - 財務金融委員会 - 9号 平成21年02月27日
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/171/0095/17102270095009c.html
○佐々木(憲)委員 日本共産党佐々木憲昭でございます。

麻生総理にお伺いしますけれども、今回提案されている国税法、これの附則に消費税の増税の問題が書き込まれております。そのきっかけをつくられたのが総理だったと私は思います。昨年の十月三十日の追加経済対策の記者会見、そのときに麻生総理は、三年後に消費税引き上げをお願いしたい、このように明言をされました。

景気対策の発表というタイミングで、増税、庶民に負担を負わせるということを、三年後であったとしても、ここに発言をされるということは、私は、景気対策ということからいいますと、消費者心理に水をかけるようなもので、これはマイナスではないかというふうに思いますが、なぜあのタイミングでああいうことをおっしゃったんでしょうか。


麻生内閣総理大臣 基本的には、これはもう佐々木先生の前で何回か申し上げたと思いますが、私は、今回のいわゆる世界的な不況の中にあって、これから抜け出す間、これは全治三年ということを申し上げたんですが、財政政策として、短期は大胆にやります、そして中期的には責任ということを申し上げたんだと思って、これは繰り返し申し上げてきております。

したがいまして、大胆な財政出動、少なくとも八十八兆円というようなこれまで例がないような大きな予算を組んで出し、その中にはいろいろな経済対策七十五兆円、これは一次、二次の補正を含めましての話、七十五兆円のものを出す。そういったものを出す以上、ばらまきだ、先はどうするんだという話に必ずなりますので、そういった意味では、我々はきちんとそれに対して責任をとるという姿勢を出しておくのが当然のことだと思います。

また、中福祉と言われますから、私、中福祉はかなりほころんでいるところも多いように見受けますけれども、中福祉と言うのであれば、これは今のような小負担ではとても賄えませんので、少子高齢化が進んでいく中にあっては、中負担というものをお願いしない限りは中福祉は持続的にはあり得ない、私自身はそう思っております。

したがいまして、増税というのはだれでも好きな話じゃありませんけれども、少なくとも景気がよくなったら、この三年間で景気をきちんと立て直すという最大の努力をいたしますけれども、その結果、景気がきちんと立て直るような状況になった段階ではぜひ中負担をお願いしたいというのが申し上げた背景であって、財政出動をする以上は、それに対してきちんとした責任を先にはとるんですということを申し上げるのが責任だと思ったからであります。


○佐々木(憲)委員 私は、消費税というものを財源として選択することは逆に、社会保障という考え方、国民に対する福祉という点から考えますと、これは逆行する税制であるというふうに思っております。財源は別なところから確保すべきだというふうに思っております。

そこで、あのときの、三年後に消費税を上げる、そういう発言は、財務大臣の中川大臣、あるいはお隣にお座りになっている経済財政担当大臣の与謝野大臣、こういう方々と事前の打ち合わせの上で発言をされたのか、それとも麻生総理自身の御判断で発言をされたのか、どちらでございましょうか。


麻生内閣総理大臣 基本的には、細目三年後に何とかと、消費税をいずれ上げねばならぬというお話は皆ほぼ同じ思いだったとは思いますけれども、全治三年、三年後というのは私の信念から申し上げております。


○佐々木(憲)委員 事前に打ち合わせなく発言をされた、こう理解してよろしいですね。


麻生内閣総理大臣 私は、三年後に景気がよくなった段階で消費税をお願いしたいというような表現をしたと記憶いたしますが、少なくとも、今名前を挙げられました当時の財務大臣、当時の経済財政担当大臣と事前に細目細かく詰めたわけではございません。


○佐々木(憲)委員 そうしますと、これは、財務省も全くそういう発言をされるということは知らなかった、与謝野大臣も知らなかったということで、そういう形で総理が発言をされたわけですね。与謝野大臣に先日、この点について私も質疑をさせていただきました。相談はなかったとおっしゃっていました。

与謝野大臣の書かれたある雑誌の三月号では、「「三年後に消費税引き上げをお願いしたい」と言いだしたのである。この時は私にも財務省にも何の相談もなし。」「私も会見の時に麻生総理の隣にいて「このおじさん、いったい何を言い出すんだ」と驚いたぐらいなのだ。」と。これは何か親しみを込めておっしゃったということらしいんですが、どうも、隣に座ってそういう発言をこのおじさんというふうに言ったということなんですが、ともかく、大変周りの大臣すら驚くような、三年後に消費税ということを一体このタイミングで言い出すということは、非常にびっくりしたということであります。

それで、与謝野大臣、手をさっきから挙げておられますが、何か言うことがありますか。


○与謝野国務大臣 かりそめにも、おじさんなどという表現を使ったのを恥じ入っておりますので。

それから、これは総理が独断で言われたということになっておりますけれども、私どもも財務省も願いとして、言っていただきたいという願いは長年持っておりましたので、言っていただいたので、やはりこういうことを言うというのは大変勇気の要ることでありまして、党に参りましたら政調の関係者は、麻生総理はガッツがあるな、そういう評価をいただいたわけでございます。


○佐々木(憲)委員 何かいろいろ整合性をとろうとして努力をされているのはよくわかりますけれども、突然言い出してびっくりしたということは実際上のお気持ちだろうと思うんですね。

その麻生総理の、いわば独断専行型のという感じで発言をされたことが、昨年の十二月二十四日の中期プログラムの中に書き込まれ、そして今度は、提案されている法律の中に書き込まれる。そういう形で、今度の所得税法等改正案の附則百四条、遅滞なく、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成二十三年度、つまり二〇一一年度までに必要な法制上の措置を講じる、こうなっているわけですね。二〇一一年四月一日から消費税引き上げが実施し得る状況をつくる、そのためにはあらかじめ法案を提出する、こういうことだと思うわけです。

ということは、もちろん、その実施の時期あるいは実施の税率の幅、これは別途定めるということになってはいても、消費税を上げるというその法案は、二〇一一年四月までの前の段階で国会に提出をし、それを通したい、こういうことだろうと思うわけです。

先日、与謝野大臣にも御質問いたしましたら、大臣は、遅くとも再来年、二〇一一年の通常国会、場合によっては来年、まあ来年の通常国会だろうと思うんですけれども、そういうタイミングで出す必要があるというふうに御答弁がありました。当然、総理もそういうタイミングを考えておられるんだと思いますが、まず総理の発言をお聞きしたいと思います。


○与謝野国務大臣 日本共産党としては、消費税の部分を強調されたいと思うお気持ちは十分わかりますけれども、実は、何をやるかというのは、税制の抜本改革というものをやるということを言っていまして、それは当然消費税も含まれた税制の抜本改革ですということを言っているわけです。

それはお気持ちとして、消費税を強調されたいというお気持ちはわかりますけれども、税制抜本改革をやるということがもう日本の社会としては避けて通れないことだ、この点はぜひ、日本共産党においても御理解をいただけないかなと思っております。


麻生内閣総理大臣 税制抜本改革の中の一つに消費税がある。法人税所得税相続税もいろいろありますので、そういったものを含んでやらなきゃいかぬ、これはもう前々から出ていた話ですから。今、よく言われております貧富格差の問題を含めまして、これは共産党の非常に関心のおありになるところだと思います。したがって、我々が消費税だけをやろうとしているように、そういうように持っていきたいという気持ちも私もわからぬわけではありませんけれども、そうじゃないんですよということだけは私どもとしても言わせていただかぬと公平さを欠くと思いますので、言わせていただくのが一点。

それから、景気がよくなるというのが私どもにとっては最大の眼目なんです。これがよくなって経済のパイがある程度大きくなるようにしないと、やりたいこともやれないことになりますので。ぜひ、そういった意味では、先ほど中川先生の御質問にもありました、国際金融の中で日本だけといったって、これはみんなの中におりますので、なかなかそう簡単にいく話ではありませんけれども、少なくとも我々としては、そういった状況ではありますけれども、きちんとしたものをやらないと、日本の税体系として財政の体系としてもたないという感じがいたしますので、きちんとした形で、少子高齢化という状況が避けられない、勤労者より高齢者の数がどんどんふえていくという状況になってまいりますと、我々は、持続可能な状況というものをきちんとつくり上げていくためにはということが前提で申し上げさせていただいております。


<関連>
20081030@かつてない難しい舵取り(経済対策に関する会見)
http://d.hatena.ne.jp/beber/20100616#p1