だいたい32×32で、麻生政権を振り返る。

麻生政権 2008年9月24日から2009年9月16日をドット絵で振り返っています。

20090129@朝に希望を持って目覚め、感謝の気持ちで床に就く


麻生首相の書面インタビュー掲載 バチカン日刊紙が1面に
http://www.topics.or.jp/worldNews/worldInternational/2009/01/2009012901000901.html
【ローマ29日共同】ローマ法王庁バチカン)の日刊紙オッセルバトーレ・ロマーノは29日までに、麻生太郎首相の書面インタビュー記事を1面に掲載した。同紙が日本の首相のインタビューを掲載するのは極めて異例で、首相がカトリック教徒であることが影響したとみられる。

インタビューで、麻生首相は自らの信仰と政治の関係について「日本では憲法政教分離が定められている。カトリック教徒でも仏教徒でも日本の問題を解決するため、努力すべきことに変わりはない」と強調。一方で「毎朝、大きな希望で目覚め、感謝の気持ちで床に就くべきだ」と、カトリック教徒としての心情を吐露したとみられる発言もあった。

首相はこのほか世界的な経済危機、対米関係、日本人拉致、核不拡散問題についても語った。

麻生首相靖国神社の非宗教法人化を提唱。カトリック教徒として常に十字架を身に着けていることでも知られる。


Intervista al primo ministro del Giappone Taro Aso
La crisi economica occasione per creare un nuovo ordine(伊語)

http://www.vatican.va/news_services/or/or_quo/interviste/2009/019q03b1.html



自由民主党総裁選挙 所見発表演説会 平成19年9月16日(日)
http://www.aso-taro.jp/lecture/sousaisen_seiken.pdf[PDF]
「 麻 生 太 郎 演 説(要旨) 」 衆議院議員 麻 生 太 郎

麻生太郎です。親愛なる同僚議員の皆さん、また、自由民主党党員・党友の皆さん、皆さんを通じて私は敬愛する日本国国民に申し上げたいと存じます。そして世界の人々に、私の己の信じるところを訴えたいと存じます。

私が愛する日本は、今、立ちすくんでおります。本来、歩みを止めるべきでないときに急停止を余儀なくされた。そういう状況にあります。このことを思うにつけ、私は断腸の思いにかられます。責任を果たそうとして果たせなかったこの1週間、またさらにこの先1週間、政治の空白に対して責任を感じるところです。国民の皆さまに対しまして心からお詫びを申し上げる次第です。

だからこそ、時間をいただいたこの総裁選に課せられた期待と責任はことのほか大きい、そう思わないではいられません。自由民主党が本当に変わったのか、国民は見ております。開かれた国民政党としてその名に恥じない政党になったのか、国民は瞳をこらしております。本総裁選の意義はまずもってその点にこそあろうと存じます。

後世、歴史家が振り返るときに、古い自民党小泉改革以来の新しい自民党との再試合だったと、そう記述するに違いないと存じます。どんな結末をもたらすのか、われわれに課せられた責務は重大であります。私ども全て、国民の目を強く意識し、政策をもって白黒をつける戦いに堂々と挑まねばならないと存じます。

私は、皆さまの前に政策の選択をお見せしたいと存じます。私が信じる日本人の能力を語ろうと存じます。指導者に求められる資質を述べたいとも存じます。その上で何を選ぶのか。公平無私の見方、国益を忘れぬ目をもって選んでいただきたい、このように思っております。

急ごしらえでつくった合意は簡単に崩れます。あわててまとめた多数派も、成立のその瞬間から瓦解への方向に動き出す。わが自由民主党はすでにそのことを過去の歴史から学んだはずでありました。わが党は長い歴史において、ある結論に達しております。それは、指導者を選ぶときに、国民に広く候補者と政策の選択をお見せして、国民の声を聞きながら選ぶのでなければならないということであろうと存じます。

皆さん、今ほど日本が危機に臨んで強い指導者を必要としているときはありません。安定した指導者ではありません。強くて頼りになる指導者をこそ必要といたしております。また、今ほど日本の農山村・漁村、地域の経済がたった2文字を求めて渇望しているときはありません。その2文字とは「希望」であります。

皆さん、朝に希望を持って目覚め、昼は懸命に働き、夜は感謝とともに床につく、人間の営みとはこの3つが十分にできるなら「幸せ」なのだと存じます。

私は、日本の若者に希望を与えて、農山村・漁村のおじいちゃん、おばあちゃんに「この先そんなに悪くはなりませんよ。きっといいことがあるよ」という希望を感じてもらいたい。私は、毎晩感謝の思いとともに眠りにつけるよう、粉骨砕身この身を捧げてまいる所存であります。

また、今ぐらい日本の発する言葉が重みを増しているときもないのであります。日本の発する言葉とは、煎じ詰めたところ内閣総理大臣の発する言葉であります。世界がそれに耳を傾けます。日本の環境を守り、治山治水に精を出しているお父さん、子どものお弁当を作り、それから働きに出るお母さん、あるいは“ネットカフェ難民”と呼ばれ、明日の暮らしを心配する若者に対しても総理は呼びかけなくてはならんのだと存じます。

私は強い言葉を発する総理になりたいと存じます。わが国の進むべき道はこうなのだと、明確な言葉を語れるような総理にもなりたいと存じます。日本という国は素晴らしい国なのだ。頼りになる仲間だ。そして尊敬に足る国だと、諸外国の指導者に、またその国の国民に思ってもらうことのできる、そういう言葉を発することのできる総理大臣になりたいとも考えております。

総理に選ばれました暁には、日本をどんなふうに変えたいのか申し上げます。日本と日本人の底力に私は揺るぎない信頼を置いております。その力を十分に解放すること。それによって、力強い成長軌道に今一度、日本をのせることであります。地方経済に息を吹き返させることであります。実力を解放し、自力成長をさせることです。

これから具体的な例を内政について3つ、外政についても同じく3つ申し上げさせていただきます。

はじめに内政についてであります。内政は将来不安の払拭、これは目下の状況ではまずは年金の話だと存じます。第2は徹底的な機会の平等、不当な格差は断固つぶすということです。第3に、経営者の目をもって新たな経済成長戦略を力強く押し進めるということであります。

順にご説明を申し上げます。

まずは年金です。支払い漏れが1人もないよう徹底を期します。そのため、全ての国民の皆さまに年金が確認できるようハガキを送りたいと存じます。社会保険庁自治体窓口で保険料を横領したとかいう不逞の輩は、金銭の多寡を問わず言語道断の所業であります。なぜならこれは制度、この年金制度によせる国民の信頼を根底から掘り崩し、ひいては政治それ自体に不信を招いたということに他ならないからであります。私は、年金が国民の未来というものを託するに足る、信頼のおける制度に生まれ変わるよう、政権の命をかけて取り組んでまいりたいと存じます。

加えて、年金問題の本当の核心は、今日ただ今35歳の青年が65歳になったとき安心して暮らせるか、そこに見通しをつけてやることです。まずは現行制度に不公平をなくし、次に年金制度の将来設計を考え直す。このことに総力をつぎ込む所存です。

第2は機会の平等です。40歳とか50歳にもなれば、人間は己の顔に責任を持てとよく言われます。危機に及んでどっしり落ち着き、微笑みを絶やさぬ顔、私はこういう顔を国民の皆さまに対しお見せすることも指導者の使命であろうと存じます。

人間とは、目の前の選択肢の中から一つ一つを選んでいき、ついには顔をも自分でつくるわけであります。オギャアと生まれた赤ちゃんがその場所で、日本のどこにあるか、産んでくれた両親がどんな両親であるのかと、自分で選ぶことはできません。したがって、政府が心がけるべき最も大事な仕事というのは機会の平等を徹底して図るということだろうと確信します。そこから格差の是正という緊急の政策課題が出てまいります。中でも、農山村・漁村という地を、また企業で言えば中小零細企業、ここに今の日本では強い影が落ちております。農山村・漁村に生まれつき、中小零細企業に働く両親のもとに生を受けた子供が、ただそのことだけで将来に豊かな展望が持てない。そんなことになれば日本は日本ではなくなります。

方法はあろうと存じます。例えば、地方交付税のあり方を大幅に変えることがその1つだろうと存じます。補助金にしても、地方が自分の工夫を生かして使えるようにしてやる。そういうようなことができるのではないでしょうか。総務大臣として私は国から地方へ3兆円の税源委譲という大改革をやらせていただきました。全省庁が反対だったと存じます。地方にできることは地方にという構造改革をさらに進めます。危機に追い込まれたとき、人間は2つの反応をとるであろうと思います。助けてくれといって人をあてにする。「何クソ」といって自分で活路を開く。中央と地方の関係が今のままですと、地方に「何クソ」という気持ちがなかなか起きません。

例をあげます。能登半島の「加賀屋」という老舗の旅館があります。ご存じかとは思いますが、交通の便は悪く、だんだんと客足が遠のいておりました。しかし、仲居さんに英語、中国語を勉強させ、台北や上海からのお客さんを増やして伸びました。この間の地震の被害にもあわれましたが評判はいささかも衰えておりません。

それから北海道旭川市にある旭山動物園、私も行きました。今では日本一有名な動物園。あれも「何クソ」と言って活路を開いた一例で、今では上野動物園より集客力は高いのではないでしょうか。企業や団体にはこういうことがいくらでもできる。自治体にもこれはできるというように思い込ませなければならんのです。

別の例をあげます。半導体、シリコンウェハー、シリコンの板のことです。この板に回路を書きます。ふつう回路は平面に並びます。しかし、一定の面積の板に回路を平面に並べる微細な技術は限界にきております。「それなら回路を垂直に重ねて書いていけば限界を突破できるじゃないか」――実はこれ、世界最先端の技術ですが、日本人の科学者が思いついた独創であります。圧倒的競争力を持つ技術で、わが国はいま一度、半導体産業の先頭に立つ、そんなことも決して不可能ではありません。

申し上げます。日本の底力というものにはとてつもないものがあるのだと、私はそう信じております。そして、そういう技術を持った工場を地方が誘致してはどうでしょうか。大きな工場ではありません。また、観光産業ならお客さんを広くアジアに求める。エコツーリズムの客を、思い切ってオーストラリアとかニュージーランドとかいう南半球圏に求める。自治体には頭さえしぼれば、そしてそれを許す財政的支援、裏付け、それに人材、それさえあればできることはいろいろある。

私の都市・地方間格差の是正政策の根本には、市町村長というものが地域の経営者としての発想を持って動きやすくする、そういう背骨を一本通しております。申し上げますが、こういう話は霞が関からは出ません。総理・総裁に求められる力というのは、霞が関に信頼されつつ、かつ違うアイディア、違う発想、突破口を示してやることだと思います。それに必要な総裁の能力とは、あらゆる人に、この人と話したい、話を聞いてもらいたい、アイディアを教えてやりたい、そう思ってもらえることであろうと思います。

そして第3は、経営者の目をもって新たな成長戦略を強く押し進めるということであります。成長促進と言いますと、すぐ予算をくれという話になります。これが役人の発想だと思います。何か新しい商売を探したり、仕入れの仕方を変えたりして原価をもっと下げたり…これが経営者の発想です。わが党の政調会長をさせていただいたときでありましたが、港の通関やら建築申請やら、そのために役所に資料を提出しろという法律は数えてみたら5万2100本ありました。それを、たった1本の法律をつくり、1回で、それもオンラインで手続きが済むようにしました。すさまじい抵抗がありましたが、構造改革とはこういうことをやるのだと思います。

日本経済というもののコストを思い切って下げてやる。それで利幅が増えれば、株の配当とか、または働く人の給料、いわゆる労働分配率、いろんな難しい言葉がありますけれども、ともに上がる。こういうやり方はあろうと思います。ただし、役所の縦割りを残しておいてはできません。強い政治指導者がいて、はじめて可能なのであろうと存じます。

外交に話を移します。3つ申し上げたいのは、第1にインド洋の給油活動、第2に今、日本の外交が歴史的転換点にあるということ、第3が拉致の解決であります。

インド洋の活動は、日本が日本の国益をかけ、自分のためにやっていることです。6年前の9月11日、日本人も24人犠牲になったことを忘れてはなりません。インド洋は日本に油を送るシーレーンの出発点であります。ここをテロリストの勝手気ままにさせてはならない。日本の国益とはその1点に集中していると言っても過言ではありません。これを「アメリカのため」などというのは言語道断、もしくは事実誤認も甚だしいと存じます。

ヨーロッパの国々が日本を見直したのはこの給油活動です。それからイラクに送られた自衛隊員。盗みの一つ、軽犯罪の一つも犯さず、見事な規律を示した自衛隊の若い隊員に対しイギリスやオランダが驚いた。

皆さん、日本のGDPは世界の10%を占めます。中国、ロシア、そして韓国を足したよりまだでかいのです。それにふさわしい貢献を日本は立派にやっている。こう彼らが心の底から得心した。それで今、わが国の外交は大きくその地平を広げられました。これが第2の点です。欧州諸国と一緒になり、東欧諸国、バルカン諸国で自由と繁栄を伸ばしていく、こういう政策ができるようになった。

安倍総理は、インドの国会演説において「自由と繁栄の弧をつくる政策だ」と紹介をされました。アメリカとオーストラリアと一緒になって、アジアや太平洋の安全にもっと責任を持つという政策にもつながった。それらの根も、元をただすとインド洋の活動であったのであります。これだけのスケールを持つ活動なのだということを、だれかが国民に語り続けなければならないと存じます。私はそれをやってまいる所存です。日米同盟の強化はこういういろんなルートからもっとできるようになります。

第3は拉致の問題の解決であります。私は、新潟の海岸に足を運びました。横田めぐみさんが連れ去られたという、その場所にも行きました。鈍く曇る日本海を見ましたが、正直涙がにじみました。断固諦めない。私は日本国主権をかけ、日本の生命を守るという国家にとって最も重要な任務の遂行のため、北朝鮮に解決を迫ります。

私は、パレスチナの若者が日本を待っているのを知っています。ホンジュラスの子供が青年海外協力隊のこしらえた教科書で算数を学び、学校が好きになったということ。カンボジア民法を日本の若い女性の法律家がつくっておるのです。私たちの誇りとする日本はとてつもない力があるのだと。

ぜひ私は、自分が愛し、誇りとしてやまぬ日本を、日本人の一人一人が誇りとして、そして未来に希望を、活力を求めることができる国になるよう、私の命をかけて頑張っていきたいと覚悟を決めております。全国の党員・党友、ならびに国会議員諸先生の深いご理解をお願い申し上げ、麻生太郎の所見の表明とさせていただきます。長時間のご清聴ありがとうございました。



<関連>
20090707@ローマ法王に謁見
http://d.hatena.ne.jp/beber/20091215#p1