だいたい32×32で、麻生政権を振り返る。

麻生政権 2008年9月24日から2009年9月16日をドット絵で振り返っています。

20090331@国民のみなさまにお示しをいたしたい


麻生首相会見詳報】追加経済対策「早急に取りまとめ、国民のみなさまにお示しをいたしたい」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090331/plc0903311812016-n1.htm
麻生太郎首相は31日夕、首相官邸で記者会見を開き、平成21年度予算と関連法案の成立をうけて、「新しい経済対策を策定いたしたい」と述べ、早急に追加経済対策をとりまとめ「国民のみなさまにお示しを致したい」と約束した。
会見の詳細は以下の通り。

【3段ロケット完成】
「去る3月の27日に、平成21年度予算と、関連法案が成立をいたしました。私は、予算の早期成立が最大の経済対策であると申し上げてまいりました。これで、景気対策の『3段ロケット』が完成したことになります。

すでに実施をいたしております平成20年度の第1次、第2次補正予算は、大きな成果をあげていると存じます。

例えば、中小企業の金融支援につきましては、緊急補償と特別融資とで、これまで約50万件、10兆円が実行に移されております。現実問題、これは300万人を超える従業員の雇用の安心につながったということになろうと存じます。雇用調整助成金は、従業員を解雇しない企業を支援するお金のことです。本年2月だけで、187万人の雇用の下支えをしたことになります。
地方の高速道路につきましては、28日から、休日は『どこまで行っても1000円』が始まりました。多くの方に利用していただいております。その上に、新年度予算が加わることになります。国民生活を守るために、雇用対策や、医師確保や、緊急医療対策、そして出産支援などに力を入れていけると存じます」


【追加経済対策】
「また、地方交付税を1兆円増額したほか、地方や企業を支援する施策を盛り込んでおります。これらの効果を早期に発揮させるためには、その執行の前倒しが必要だと存じます。地方公共団体に対しても、その協力を求めて参ります。しかしなお、日本は経済危機とも言える状況にあろうと存じます。

そのため、新しい経済対策を策定いたしたいと存じます。今やらなければならないことは基本的に3つです。

1つ、景気の底割れを防ぐこと。
2つ、雇用を確保し国民の痛みを和らげること。
3つ、未来の成長力の強化につなげることです。

景気対策のために需要を拡大するとともに、安心に力を入れることが必要です。生活者の安心を確固たるものにする。すなわち雇用や、社会保障子育て支援などの充実が求められていると存じます。

また、未来への成長につながるような、新しい分野への投資が重要であります。まさに、政府の役割、財政の出動が求められていると思います。これまでの経緯にとらわれることなく、大胆な発想で、最大限の努力を行いたいと存じます。政府与党で早急に取りまとめ、国民のみなさまにお示しをいたしたいものだと考えております」


【低炭素革命を先導】 
「次に成長戦略についてお話し致します。 短期的な経済対策の先には、中長期の経済成長が必要です。どのような経済社会を目指すのか。将来像や目標を具体的に明示し、その実現に向けたシナリオを描いております。そして、官と民とがともに行動することで、新たな市場や雇用を創出致します。早急にまとめたいと存じます。

第1の分野は、低炭素革命です。環境、エネルギー分野は日本が世界で最も強い分野です。例えば太陽光発電や、環境に優しい自動車。日本の技術で、低炭素革命を先導いたしたいと存じます」


【日本の底力】
「第2の成長戦略は健康長寿社会の実現です。日本は世界最速で高齢化が進んでいますのはご存じの通りです。だからこそ日本で活力ある明るい高齢化社会というものを実現したいもんだと考えます。例えば、介護の職場で希望が持てるようにしなければならないと考えます。第3の分野は日本の底力の発揮です。日本には安全、また文化といった国際競争力のある観光資源があると存じます。

また、アニメーション、ファッション、Jポップ、いろいろありますが、日本のソフトパワーは世界に冠たるものがあります。残念ながら今、それは国際的なビジネスにはつながっていないと存じます。日本の魅力や底力を産業につなげることで地域に活力を与え、若者の雇用を増やしたいもんだと考えております」


【アジア成長の推進役に】
「さらに中長期の成長戦略は、国内だけを見ていても描けないと存じます。国境を越えてアジア全体で成長するという視点が大事だろうと存じます。このため、日本はアジアでの広域インフラの整備などを通じた域内の需要拡大をODA(政府開発援助)や民間資金を活用して支援をしたいと存じます。4月にタイで開かれる予定の東アジア首脳会談の場で、私はこうした取り組みの推進役の先頭に立ちたいもんだと考えております」


【ロンドン金融サミット】
「さて、私は今夜、ロンドンに向けて出発します。緊急経済・金融サミットが開かれ、世界の20カ国以上の首脳が集まる予定であります。昨年11月、第1回のサミットがワシントンで開かれたのはご存じの通りです。その際、私が主張した不良債権の迅速な処理や、また、金融市場に関する規制と監督に関する国際協調などは、すでに共同声明に盛り込まれ、各国において進められております。

例えば不良債権の処理です。日本は1990年代の経験から、その際には金融機関に資本注入をする場合、厳格で公正な資産評価と経営健全化のインセンティブの付与が必要不可欠だと申し上げてきました。最近アメリカで発表された金融安定化策はこうした方針に沿ったものです。これを歓迎をするとともに、一刻も早い実行を望みます。

また、世界の金融市場が逼迫(ひっぱく)していることについては、私はIMF国際通貨基金)に対して1000億ドルの融資を行う意図を表明し、先般、取り決めを締結をしております。その後、EU(欧州連合)も日本にならってほぼ同額の融資に同意をしております。日本としてはこの際、さらなる提案を行うことにより、世界経済にとって必要な資金が円滑に供給されるよう主導的な役割を果たしていきたいと考えます

さらに、世界的には輸出入のために資金手当てというものが難しくなってきております。信用が収縮しているからです。これを放置すると、輸出入取引自体が縮小していくことになります。このため、日本は貿易に対する保険や融資を活用して支援を行っていきたいと考えております。今回のロンドン・サミットにおいてはこうした基本的な方針に従って議論を深め、さらなる具体的な成果を得るべくリーダーシップを発揮していきたいもんだと考えております」


【未来を明るく】
「最後になりましたが、平成21年度予算が成立をしました。しかし、なお重要な法案がたくさん残っております。ソマリアなど海賊対処法案、消費者庁(設置)の法案、年金の財源を安定的にする法案などなどです。それぞれ国民生活や国際貢献にとって不可欠なものだと存じます。私はこれらの早期成立に全力を挙げたいと存じます。

明日4月1日は新学期や新年度が始まります。新しく学校に入られる学生さんや新しい職場につかれるフレッシュマンも多いと思います。大きな希望とともに少しの不安もお持ちだと存じます。みなさんの未来というものは明るいものにしなければならないと考えます。

私が総理大臣の重責を担うことになりましたのは、ひとえにこの日本を元気にするため、そして安心できる社会を作ることであると、そう心得ております。そのために全身全霊をささげる覚悟です。

国民のみなさん、希望をもってともに進んでいこうではありませんか。ありがとうございました」


麻生内閣総理大臣記者会見
http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2009/03/31kaiken.html


麻生内閣における経済対策
http://www.kantei.go.jp/jp/keizai/index2.html


<関連>
20081224@景気対策3段ロケット
http://d.hatena.ne.jp/beber/20091223#p1